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冷血[れいけつ] 『冷血』(れいけつ、原題: ''In Cold Blood'')は、トルーマン・カポーティが1965年に発表した小説。 == 概要 == 1959年に実際に発生した殺人事件を作者が徹底的に取材し、加害者を含む事件の関係者にインタビューすることによって、事件の発生から加害者逮捕、加害者の死刑執行に至る過程を再現した。カポーティ自身はこのような手法によって制作された本作をノンフィクション・ノベルと名づけた。その後、ノンフィクション・ノベルの手法を使った作品が次々と他の作家によって発表された。1970年代はゲイ・タリーズ(『汝の父を敬え』)が、1990年代ではジョン・ベレント(『真夜中のサバナ』)などがノンフィクション・ノベルの書き手として著名。日本では佐木隆三の『復讐するは我にあり』がこのカテゴリーに含まれる。本作の手法はジャーナリズムの世界にも取り入れられ、ニュー・ジャーナリズムと呼ばれた。 なお、作者は自分と同じように悲惨な境遇に育った加害者の1人に同情心を寄せ、「同じ家で生まれた。一方は裏口から、もう一方は表玄関から出た。」という言葉を残している。 この作品の取材中に、作者は加害者との交流を深めるが、「加害者を少しでも長く生きさせたい」という気持ちと「作品を発表するために、早く死刑が執行されて欲しい」という2つの感情の葛藤にさいなまれた。『冷血』は作者にさらなる富と名声をもたらしたが、以後、作者は作品を1つも完成出来なかった。表題の「冷血」は特にこれといった理由もなく、何の落ち度もない家族を惨殺した加害者を表していると言われているが、表向き加害者と友情を深めながら、内心では作品の発表のために死刑執行を望んでいた作者自身を表すのではないかという説もある。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「冷血」の詳細全文を読む
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