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凍傷 : ウィキペディア日本語版
凍傷[とうしょう]

凍傷(とうしょう)は、低温が原因で生じる皮膚や皮下組織の傷害である。極度の低温はもちろん、0℃を少し下回る程度の温度でも長時間さらされると生ずる。
== 概略 ==
0℃以下の環境で皮下の血管は収縮を始めるが、これは中枢の体温を逃がさないための保護作用である。極度の低温もしくは長時間の寒冷下にさらされるとこの保護作用によって皮下の血行は極端に悪化し、部位によっては血行不全に陥る。こうした部位はやがて凍ってしまう。低温に血行不全が重なることによって体組織は凍結し深刻な損傷が生じるのである。凍傷は心臓から遠い部位および寒冷にさらされる表面積が大きい部位に最も生じやすい。また積雪期の山や高山では凍傷になる危険性が最も高い。好発部位としては四肢の指が最も多いが、耳や鼻、頬などにも発生する。
凍傷は早急に治療されなければ組織傷害は非可逆的なものとなる。凍傷に冒された部位は組織の虚血によって最初は紫色に変色し、低酸素状態により神経障害を生じ知覚が失われる。初期の神経障害は可逆的であるが、神経組織が壊死すると不可逆的になる。病状が進行すると治療を開始しても、水疱を生じるなど火傷による組織壊死に似た状態になる。火傷と同様に凍傷による損傷部位は易感染性であり、表皮が切れたり破れたりしていないか特に注意してチェックしなければならない。創部の感染壊疽に至る可能性を増やす。壊疽に至った場合は病変部位は黒色化し、腐敗するかミイラ化するので切断や離断が必要となる。鼻が壊死した場合は顔面形成術が必要となる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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