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関数のグラフ (graph) は、直観的には、関数を平面内の曲線もしくは空間内の曲面としてダイアグラム状に視覚化したものである。形式的には、関数 ''f'' のグラフとは、順序対 (''x'', ''f''(''x'')) の集合である。 例えば、''x'' と ''f''(''x'') が常に実数であるような関数の場合、グラフは座標平面上の点の集まりとみなすことができる。このような関数のうち、応用上重要な関数の多くは、グラフを座標平面上に曲線として描くことが可能である。 グラフの概念は、関数のみならず、より一般の写像や対応に対しても定義される。標語的には、グラフは関数や対応を特徴付ける集合であるといえる。 == 定義 == ''f'' を、集合 ''A'' から集合 ''B'' への関数とする。すなわち、''A'' の各元 ''x'' に対し、''B'' の元 ''f''(''x'') がただ一つ定まるとする。このとき、''f'' のグラフとは、直積集合 ''A'' × ''B'' の部分集合 : である。逆に、''A'' × ''B'' の部分集合 ''G'' が、「任意の ''x'' ∈ ''A'' に対して (''x'', ''y'') ∈ ''G'' なる元がただひとつ存在する」という条件を満たすならば、''G'' をグラフとする ''A'' から ''B'' への関数 ''f'' が一意的に定まる。 特に、実数 ''x'' に対し、ただひとつの実数 ''f''(''x'') が定まる関数 ''f'' を考えると、これは、''A'' と ''B'' がともに実数全体の集合 R の場合である。このとき、グラフは R × R(R2 と表す)の部分集合である。R2 は2次元ユークリッド空間、すなわち平面と同一視され、この場合の関数のグラフは平面内の点の集まりとみなすことができる。 また、ふたつの実数 ''x'', ''y'' に対し、ただひとつの実数 ''f''(''x'', ''y'') が定まる2変数関数 ''f'' を考えると、これは、''A'' = R2 かつ ''B'' = R の場合である。このとき、グラフは R2 × R の部分集合である。R2 × R の元は ((''x'', ''y''), ''z'') の形をしているが、これを (''x'', ''y'', ''z'') と同一視することにより、グラフは3次元ユークリッド空間 R3 内の点の集まりとみなすことができる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「グラフ (関数)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Graph of a function 」があります。 スポンサード リンク
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