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分子(ぶんし)とは、2つ以上の原子から構成される電荷的に中性な物質を指す〔IUPAC. Compendium of Chemical Terminology, 2nd ed. (the "Gold Book"). Compiled by A. D. McNaught and A. Wilkinson. Blackwell Scientific Publications, Oxford (1997). XML on-line corrected version: http://goldbook.iupac.org (2006-) created by M. Nic, J. Jirat, B. Kosata; updates compiled by A. Jenkins. ISBN 0-9678550-9-8. . 〕。厳密には、分子は少なくとも1つ以上の振動エネルギー準位を持つほどに充分に深いエネルギーポテンシャル表面のくぼみを共有する原子の集まりを指す〔。ほとんどの原子は、同種あるいは異なる原子と化学結合により結びついて分子を形成する。 希ガスのように、単原子で安定な化学種を単原子分子と呼ぶことがある。ただし、宇宙空間などの真空に近い環境では、他の原子も単体で安定している。それに対して、複数の原子から成る分子は多原子分子と呼ばれる。英語のmoleculeという語は、ラテン語の「量」あるいは「塊」を意味する''moles''と縮小辞の''cula''に由来する〔『世界大百科事典』(参考文献)〕。 化学結合に結び付けられた分子内の原子は内部エネルギーにより振動しているので、分子の構造は必ずしも静的ではない。分子内の化学結合の乖離や新しい結合の生成し構成する原子の組み換えが起こると分子の種類、すなわち物質の変化として認識される(化学反応に詳しい)。分子から電子が付加あるいは脱離したイオンは分子イオンと呼ばれる。 == 原子と分子 == ジョン・ドルトンが1803年に原子説、1804年に倍数比例の法則により原子の存在を提唱した。しかしその概念は現代の電子と原子核から構成される粒子のような構造的な概念ではなく、化学反応が一定の単位質量を基にして反応が進行するという量的概念であった(化学量論に詳しい)。 一方、1808-1809年にジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサックは気体反応の法則を提唱したが、この法則は同じ温度・圧力条件下の気体には同一体積中に同数の物質粒子が存在することを暗に想定しており、それが倍数比例の法則に従うのであるからその粒子は一定の単位質量を持つことが想定される。ドルトン自身は化合物に含まれる原子の数は基本的に1つずつであると考えており、2容量の水素と1容量の酸素とから2容量の水蒸気が生じるという事実は彼の想定する単位原子と矛盾を生ずるため、この法則を認めなかった(気体反応の法則に詳しい)。 1811年にアメデオ・アヴォガドロは複数個の原子から構成される分子の概念を気体反応の法則に導入した。すなわち、分子を元にしたアボガドロの法則を提唱してこの矛盾を解消した。発表当時はこの説は重要視されなかったが、1858年にスタニズラオ・カニッツァーロがアボガドロの法則を再評価し、アヴォガドロの分子論は確固たるものとなった〔カニッツァーロの再評価を発表した1860年のカールスルーエ国際会議以前は原子あるいは分子のモデルやその原子量、分子量の定義は研究者によってさまざまに提唱され、統一されていなかった。記事アボガドロの法則に詳しい。〕(アボガドロの法則に詳しい)。 分子の物理学的挙動について、実験的にその実在性を確立したのはアルベルト・アインシュタイン(1905年)およびジャン・ペラン(1909年)によるブラウン運動の研究である。今日では分光学的測定や質量分析測定あるいは原子間力顕微鏡により分子を直接観測することが可能になっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「分子」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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