|
分子雲(Molecular cloud)は星雲の一種であり、その大部分は水素分子である。星形成が行われている場合は、育星場、星のゆりかごとも言う。典型的な分子雲の大きさは、直径が100万光年、質量は太陽の10万倍、温度は25K(-248℃)程度、密度は水素分子が10~100万個/cm。〔「徹底図解 宇宙のしくみ」、新星出版社、2006年、p106〕 低温の水素分子は放射を出さず検出が難しいため、しばしば一酸化炭素輝線を用いて水素分子ガスの総質量を決定する。ここで一酸化炭素輝線の光度と水素分子ガスの質量の比は一定と仮定されているものの、この比の値は場所によってばらつきがある 。 ==起源== 銀河系では、分子ガスは星間物質全体の体積の1%以下であるが、太陽系の軌道の内側にある質量の約半分を占めるほど、密度が高い領域である。分子ガスの塊は銀河系の中心から3.5-7.5キロパーセクの距離に環状に広がっている(太陽系は銀河系の中心から約8.5キロパーセクである)。銀河系の一酸化炭素の大規模なマップを見ると、ガスは銀河の渦状腕に沿って分布していることが分かる。分子ガスの大部分は銀河の渦状腕にあるため、分子雲は渦状腕を通過する時間である1000万年の間に形成されるとする説がある。 分子雲は銀河のディスクから垂直方向に約50-75パーセクの範囲に広がっており、特徴的なスケールハイトを持つ。これは、熱原子の130-400パーセク、熱イオンの1000パーセクと比べても狭い範囲である。 分子雲の分布は長距離的に見ると平均的であるが、詳しく見ると非常に不規則である〔。 太陽近傍の分子雲は非常に大きく見えるため、星座の一部分を覆い、オリオン座分子雲やおうし座分子雲のようにその星座の名前で呼ばれることがある。これらの分子雲は、グールド・ベルトの中に環状に配列している〔 Electronic preprint 〕。銀河中心の周りには半径約200~300パーセクの分子ガスの環があり、この中にはいて座B2と呼ばれる巨大分子雲複合体がある。いて座B2は化学種が豊富で、天文学者が新しい星間分子を探す対象の領域となっている〔Sagittarius B2 and its Line of Sight 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「分子雲」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|