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切り裂きジャックの告白 : ウィキペディア日本語版 | 切り裂きジャックの告白[きりさきじゃっくのこくはく]
『切り裂きジャックの告白』(きりさきジャックのこくはく)は、中山七里の推理小説。 == 概要 == 臓器移植を主なテーマとして医療や倫理の問題を投げかける社会派小説でありながら、19世紀にイギリスで実際に起きた切り裂きジャック事件をモチーフとしたミステリーでもある〔。 著者の中山は毎回出版社側のリクエストに応える形でどういう話にするかを決めるが、今回はそれが「どんでん返しがある社会的テーマを持った本格ミステリ」だった。そこで思いついたのが臓器移植であり〔、出版社がKADOKAWAと聞いて浮かんだのが横溝正史、そして社会派と聞いて浮かんだのが森村誠一。それらすべてのイメージが合体したのが今作であると話している〔。当初タイトルは「切り裂きジャックの弁明」だったが、堅苦しくて読者の手が伸びないかと思い、刊行時には『切り裂きジャックの告白』に変更された〔。また、今回も執筆にあたって改めて取材はせず、手術のシーンも以前テレビで見た心臓移植の番組を元に書いたが、専門家に査読してもらっても医療的な記述でミスは無かったという〔。 人物のリンクだけでなく、猟奇殺人、シリアルキラーが登場するという点でも『連続殺人鬼カエル男』と共通する部分が多く、作中でもそれを示唆する文章がある〔82頁「以前にもシリアルキラーの事件を担当していたのかい」「ええ。それも思いっきり胸糞悪くなるようなのを」、193頁「(シリアルキラーの事件の時は)犯人はプロファイリング像とは似ても似つかないヤツでした」、195頁「君にもその……あったのか。事件の関係者に肩入れし過ぎたようなことが」など。〕。そして『テミスの剣』で渡瀬によって派遣されてきた古手川和也が主人公・犬養隼人のサポート役を務めるが、『連続殺人鬼カエル男』の経験をふまえて推理や捜査にあたっており、本作は古手川の成長譚としても読めるようになっている〔。 著者はこの作品を"祈りの小説"としており、2013年7月に発売された本作と同じ主人公・犬養隼人が活躍する『七色の毒』という短編集と対を成す世界観で、2冊で世界には希望もあるが絶望もあるということを描いているとインタビューでは話している〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「切り裂きジャックの告白」の詳細全文を読む
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