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刑事法院 (けいじほういん、〔英〕Crown Court) は、イングランドおよびウェールズにおける刑事事件を扱う裁判所である。 高等法院、控訴院とともに、イングランドおよびウェールズ最高法院の一部門を構成する〔SCA, s.1.〕。刑事事件における上位の第一審裁判所であるが、階層的には高等法院及びその合議法廷よりも下位に置かれている。 == 組織 == === 裁判官 === 刑事法院で通常職務を行う裁判官は、高等法院裁判官、巡回裁判官、市裁判官である〔SCA, s8(1).〕。 * 高等法院裁判官 : 刑事法院には、20名以上の高等法院裁判官がおり、最も重大な事件を取り扱う。弁護士として刑事事件の経験のある高等法院王座部の裁判官が、刑事法院で執務していることが多い〔Sprack (2008) 14.04.〕。 * 巡回裁判官 (circuit judge) : 巡回裁判官は約600名いるが、多くの時間を刑事法院での執務に当てている巡回裁判官がほとんどである。刑事法院のトライアル件数の80%以上を担当している。大法官の推薦に基づき、国王に任命され、法廷弁護士(バリスター)又は事務弁護士(ソリシター)との兼務は認められていない。巡回裁判官は、通常、州裁判所 (County Court) で民事事件も担当しており、刑事法院と州裁判所の仕事の割合は裁判官によって異なる〔Sprack (2008) 14.05-14.06.〕。 * 市裁判官 (recorder) : 市裁判官は、開業している法廷弁護士又は事務弁護士がパートタイムで裁判官としての職務を行うものである。巡回裁判官と同様、大法官の推薦に基づき国王から任命され、弁護士として10年以上の経験が必要である。市裁判官は約1400人おり、刑事法院のトライアルの約15%を担当している〔Sprack (2008) 14.07.〕。 事件の割り当ては、イングランドおよびウェールズ首席判事 (Lord Chief Justice) によって定められた訓令に基づいて行われる。殺人罪、強姦罪又はこれに準ずる、最も重い事件のみが高等法院裁判官に割り当てられ、その他の事件は巡回裁判官又は市裁判官に割り当てられる〔Sprack (2008) 14.10, 14.14.〕。 高等法院裁判官、中央刑事裁判所()で執務する全裁判官、及び執務する市の"honorary Recorder"の職を有する巡回裁判官は、法廷では「マイ・ロード」(My Lord) 又は「マイ・レディ」(My Lady) と呼ばれる。それ以外の巡回裁判官、市裁判官は「ユア・アナー」(Your Honour) と呼ばれる〔Sprack (2008) 14.09.〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「刑事法院」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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