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利家と松 : ウィキペディア日本語版
利家とまつ〜加賀百万石物語〜

利家とまつ〜加賀百万石物語〜』(としいえとまつ かがひゃくまんごく ものがたり)は、NHK2002年1月6日から12月15日にかけて放送された大河ドラマ第41作。
== 作品内容と反響 ==
織田信長豊臣秀吉に仕えて加賀藩前田家の祖となった前田利家と、その妻・まつを中心に戦国群像を描いたドラマ。主演の唐沢寿明は1989年放送の『春日局』以来の出演、まつ役の松嶋菜々子は大河ドラマ初出演。原作・脚本〔本作はドラマのために書き下ろされた作品ではなく、竹山が自作の小説に脚色を加えるという形で作られたため、オリジナル作品とは異なる(放送翌年に原作小説が新潮社より文庫化されている)。〕 の竹山洋は『秀吉』以来の脚本担当である。
「戦国最強のホームドラマ」と銘打たれ、利家とまつ、秀吉とねね、佐々成政とはる、という3組の夫婦の交流と競争を軸にドラマが組み立てられる。大河ドラマで初の女性による制作統括を任された浅野加寿子は、「二人から始まる加賀百万石ストーリー」をキャッチフレーズに、戦国の女は男性の陰に隠れがちだが実際はもっと強かったに違いないとの仮説で、まつをクローズアップし夫婦の物語にしたと語っている。夫婦の名前をタイトルにするのは、これが初めてであった〔『大河ドラマの50年』鈴木嘉一 中央公論新社2011年〕
民放のトレンディドラマで活躍するような若手俳優を多く起用し、特に入籍直後の反町隆史と松嶋菜々子の共演が話題を集めたこと、そして唐沢、松嶋の二大スターのダブル主演ということもあり高視聴率を記録した。脚本は、織田家中を若々しく強烈な意志で戦国を生きる歌舞いた人物達として描いて行き、最後に残った利家が生き証人として、その生き様を示す形で締め、配役の新鮮さを活かしつつ重厚な印象となった。一方、まつを演じる松嶋菜々子を、婚姻前という早い段階から無理矢理登場させたり〔松嶋演じるまつの初登場は数え10歳のとき。松嶋は今で言えば8~9歳の役を演じていたことになる。〕、歴史の名場面にまつが登場するようなやや強引な展開もあった。「わたくしにお任せくださいませ」というまつの台詞は、彼女が物事を解決する際に使用する決め台詞であり、流行語にもなっている。
織田信長を演じた反町隆史の演技は概ね好評だった。唐沢寿明曰く「歴代最高の信長」、竹山洋も「優しさが加わった今までにない信長像が出来ました」と称賛している。信長がしばしば口にした「で、あるか」の台詞は流行語にもなった。この信長像はそれ以後の信長登場時代劇に大きな影響を与え、様々な時代劇作品で「で、あるか」の台詞が信長の台詞として頻繁に使われるようになった。
桶狭間の戦いの描写は、今川義元のイメージこそお約束のものであったが〔歴史学者小島道裕は、当ドラマの義元について、信長方の勝因がわかりやすいように「志村けんばりのバカ殿に描かれているが、冗談が過ぎよう」と評している。(同著2006年『信長とは何か』講談社選書メチエ、30頁)〕、合戦シーンについては新説に基づいて、桶狭間山を駆け上がる設定になっている。ただし、番組中でナレーションで行われた兵力比較が「今川軍7万人」と「織田軍2千人」と言う大きく誇張された数字になっていた。
前田家の地元石川県は、1998年に「NHK大河ドラマ加賀藩前田家』誘致推進委員会」を金沢市と発足し、誘致運動を推進してきた。放映中の2002年には、「加賀百万石博」を開催した〔。オープニングテーマには金沢市に本拠を置くオーケストラ・アンサンブル金沢が起用された。
平均視聴率は22.1%、最高視聴率は27.6%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)〔ビデオリサーチ NHK大河ドラマ 過去の視聴率データ 〕。石川県では平均視聴率は40.5%だった(ビデオリサーチ社の独自調査による)。なお今作から日曜夕方にNHKデジタル衛星ハイビジョンでの放送が始まり、視聴が分散しているとみられる。
2006年度の大河ドラマ『功名が辻』では、唐沢寿明が同じ前田利家役で一話のみ“再登場”している。
現在完全版のDVDが発売されており、NHKオンデマンドで本編放送回の視聴ができる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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