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制限要因[せいげんよういん] 制限要因(せいげんよういん)とは、ある事象や現象、働きが複数の要素の影響で起こる場合に、その全体の働き方を決める要素のことである。具体的には一番不足する要素のこととなる。限定要因(げんていよういん)という語もあり、また限定要素(-ようそ)、制限要素、同じく制限(限定)因子(-いんし)など、いずれもほぼ同義に使われる。 == 概要 == たとえばあるものを作るのに原料が複数ある場合、そのそれぞれが過不足なく揃うことはあまり多くない。どうしても余るもの、足りないものが生じる。この時、完成できるそのものの数は、原料の中で一番少ないものの数によって決まる。この時、この一番たりないものの量そのものが全体の完成量の制限となるので、これを制限要因(Limiting factor)という。生物の体内の反応や成長などでは、その仕組みや働きが複雑なので、個々の要素の影響ははっきりとは現れづらいこともあるが、特に不足する要因があった場合には、それ以外の要因の増減があまり影響を与えない、と言うような形で見られる。 このようなことは、往々にして桶で説明される。桶の側壁は複数の板を並べて外から締めたものである。その壁の高さはその中に入れられる水の量を決める。もし、それらの板の長さに違いがあった場合、中に入る水の水面は一番背の低い板のそれになるだろう。これが制限要因である。これは後述の最小律に関連して使われることが多い。 実際には要因は原料とは限らない。また何が制限要因となるかによってその影響も変わる。たとえばものを作るには道具もエネルギーも必要だから、原料があってもエネルギーがたりない場合にはエネルギーが限定要因となるであろう。道具が不足する場合は、時間をかければ原料すべてを処理できるであろうから、総生産量については制限要因とならない。しかし道具が少なければ効率は下がるから、生産速度を見た場合には制限要因となることがわかる。 この語彙は理科教育の中では特に光合成に関わって説明されることが多いため、この分野に固有のもののようにいわれることがあるが、そういうことはない。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「制限要因」の詳細全文を読む
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