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加薬 : ウィキペディア日本語版
加薬[かやく]

加薬(かやく)とは、ラーメンうどんなどに入れる香辛料や具を指す。一般的にはひらがなで表記されることが多い。
== 由来 ==
加薬とは加薬味、つまり薬味を加えるという言葉から来ている。そのため、薬味の由来についても説明する。
薬味とはもともと漢方医学(漢方)の用語である。中国最古の薬書と言われている『神農本草経』には「薬に酸鹹甘苦辛の五味あり」(鹹とは塩味のこと)と記されており、『芸文志』にも「処方は……薬味の滋養を借り……」と記されているなど、既に1世紀には薬味という言葉が使われていたとされている。その後、宋代になって、医療が庶民の日常生活に密着して登場するようになると、一般家庭で調達可能な材料はわざわざ薬屋から購入する必要はないため、そのような材料は家庭で調達や配合を行うことが一般化されるようになった。
宋医学が日本に伝わると、日本の一般家庭にある、漢方の材料となるもの(煎じるときに薬味として加えることが可能なもの)として生姜が加薬味の代表となった。そのため、生姜のことを指して、加薬味、加薬(加薬味の略語)、薬味、辛味(前述の通り五味の一つ)などと呼ばれるようになったとされている。実際、室町時代後期の『運歩色葉集』(1548年)には加薬という言葉が登場している。
江戸時代には、他の香辛料である山椒も加薬と呼ばれることとなる。江戸時代の料理書『素人包丁』には、「鯛飯」の項に「加益(カヤク)はおろし大根、ネギ、のり、とうがらし」と記されており、この頃には香辛料一般で加薬と呼ばれていたことが判る。
同じく江戸時代、加薬飯〔「一般に関東で「五目飯」と呼ばれるものを、関西では「加薬飯」という」。(日本国語大辞典、小学館、加薬の項)〕が登場する頃には、加薬が具全般を指す言葉として使われるようになった〔「飯などに加え、またはまぜる諸種の具(ぐ)をいう。たね。肉や野菜などの類。*素人庖丁‐初(1803)」。「(日本国語大辞典、小学館、加薬の項)〕。また、主役となる食材に加えるという意味で加役の字を当てることもあった。加薬を具として使うようになったのは、和歌山県兵庫県高知県が発祥とされている。
なお、中国では香辛料一般や具を加薬や薬味と呼ぶような、言葉の派生はしていない。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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