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正規社員の解雇規制緩和論[せいきしゃいんのかいこきせいかんわろん]
正規社員の解雇規制緩和論(せいきしゃいんのかいこきせいかんわろん)とは、正規社員の整理解雇に関する規制が非正規社員に比べて強いことが、日本の労働市場に正規と非正規の二重構造を作り出し歪ませているため、これを緩和するべきという規制緩和論の一つ。 == 概要 == 日本では労働力の調整に非正規社員を利用することが社会で認められており、企業が正規社員を整理解雇する前に非正規社員の解雇(派遣切りや雇い止め)をすることは整理解雇の四要件を満たすために必要であったが、2008年の金融危機が発端となった世界的不況による経営の悪化が引き起こした大量の派遣切りは社会問題となった。この時の派遣切りに非難が集まり非正規社員の雇用に対する規制を強化することが議論されたが、規制強化はより規制の弱い雇用形態への変更や機械による代替、コストの安い海外への移転が起こり雇用量が減少してしまうと考えられている〔。 労働者を雇用している企業は経営状態が悪化した時に整理解雇を行う場合があるが、正規社員の解雇は整理解雇の四要件が判断の基準となっており、要件の一つの解雇回避努力義務には、非正規社員の削減と新規採用の停止をすることが求められている。このように非正規社員は整理解雇時には真っ先に解雇される不安定な立場に置かれているが、正規社員は解雇規制で保護されて比較的に安定しており、雇用の二極化という格差を作り出している〔。 日本では非正規社員の割合が増加しつづけているが、これにより低所得者層が増えて中間層が空洞化し、社会の不安定化と閉塞感の原因となっている。企業の労働力の調整に伴う不利益を非正規社員にすべて負わせるのではなく、正規社員の解雇規制緩和(非正規社員を解雇する場合は正規社員の解雇も必要とすること等)を含めたルール作りや法整備を行い、正規社員と非正規社員の雇用保障の差を小さくして中間層を増やし、社会を安定させる必要があると考えられている〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「正規社員の解雇規制緩和論」の詳細全文を読む
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