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金融経済学における効率的市場仮説 (こうりつてきしじょうかせつ、) とは、市場は常に完全に情報的に効率的であるとする仮説。ここで言う情報的に効率的であるとは、金融市場における金融商品の価格がその商品の価値を決定づける情報を反映しているという意味である。効率的市場仮説に従えば、株式取引は株式を常に公正な価格で取り引きしていて、投資家が株式を安く買うことも高く売ることもできないということになる。すると、銘柄の選定や市場のタイミングから市場の平均以上の実績を得るのは不可能である〔http://www.investopedia.com/articles/basics/04/022004.asp〕。 市場を効率的とみなすための主な仮説には以下のようなものがある。 *常に多数の投資家が収益の安全性を分析・評価している。 *新しいニュースは常に他のニュースと独立してランダムに市場に届く。 *株価は新しいニュースによって即座に調整される。 *株価は常に全ての情報を反映している。 金融理論は主観的なものである。言い換えると、金融には証明された法則はなく、あるのは市場の営みを説明しようとするアイデアだけである〔。 効率的市場仮説には「ウィーク」・「セミストロング」・「ストロング」という3つのバージョンがある。ウィーク型の仮説は、株式や債券、不動産のような取引資産の価格は過去に公開された情報を全て反映したものであると主張する。セミストロング型仮説は、過去に公開された情報の反映に加えて、新たに公開される情報が瞬時に価格に反映されると主張する。ストロング型の仮説には、隠されたインサイダー情報さえも瞬時に価格に反映されるという主張が更に加わる。効率的市場仮説に批判的な論者は、市場の合理性への過信は2000年代後半の恐慌を引き起こしたと避難する。対して擁護論者は、市場効率性は未来に不確定性を否定するものではなく、常に真となるわけではない世界の単純化であって、ほとんどの各個人の投資目的に対して実質上効率的なのだと言明する。 ==歴史的背景== === 起源についての説 === 歴史的には、効率的市場仮説とランダムウォーク仮説、そしてマルチンゲールモデルは近しい結びつきがある。株式市場価格のランダム特性のモデル化は、1863年にフランス人仲介業者ジュール・レノーによって最初になされた。その後フランス人数学者ルイ・バシュリエの1900年の博士論文「The Theory ofSpeculation(投機の理論)」でモデル化されている.〔Kirman, Alan. "Economic theory and the crisis ." ''Voxeu''. 14 November 2009.〕。この業績は1950年代までほとんど無視されていたが、1930年代の分散した独立な研究結果によってこの博士論文が強化された。少数の論文は米株価と関連する金融時系列がランダムウォークに従うことをほのめかした〔See Working (1934), Cowles and Jones (1937), and Kendall (1953), and later Brealey, Dryden and Cunningham.〕。アルフレッド・カウルズの30年代と40年代の研究は、一般にプロの投資家が市場を上回る実績をあげることはないことを示唆した。この仮説はリスク資産で収益をあげるビジネスの重要性を決定づけている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「効率的市場仮説」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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