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勇[ゆう]
勇(ゆう)とは、儒教における徳目のひとつ。勇気(おそれない心)のこと。儒学においては、三徳のひとつに数えられる。 == 概要 == 四書のひとつ『論語』に「智の人は惑わず、仁の人は憂えず、勇の人は恐れず」〔『論語』巻第五・鄕黨第九〕とあり、孔子は、勇者は心が強く道義にかない虚心坦懐であるから、何事に対してもおそれないとして、「智」・「仁」とならんで「勇」を大いなる徳と見なし、「義を見てなさざるは勇なきなり」〔『論語』為政第二〕とも記している。ただし、『論語』には「勇にして礼無ければ則ち乱す」(勇気も度が過ぎると乱暴なだけである)、「徳ある者は必ず言あり、言ある者は必ずしも徳あらず。仁者は必ず勇あり、勇者は必ずしも仁あらず」(徳ある人は必ずや言葉が優れているが、言葉の優れる人が必ずしも徳があるというのではない。仁者は必ず勇気をもつが、勇者が必ずしも仁徳を備えているとは限らない〔『論語』憲問篇〕)の文言もある。 同じく四書のひとつである『中庸』には「好学近乎知、力行近乎仁、知恥近乎勇」〔『中庸』二十章〕とあって、「智仁勇の三者は天下の達徳なり」と述べ、「三達徳」(時代や身分を超えて、どんな場合にも通じる3つの徳)としている〔『中庸』では、「三達徳」に対し、世の中のどこでも通用する5つの道として「五達道」としている。これは、『孟子』のいう「五倫の道」と同じである。〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「勇」の詳細全文を読む
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