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匂宮[におうみや] 匂宮(におうみや、におうのみや)は、 #『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第42帖で匂宮三帖の第1帖。巻名は本文の「世人は匂ふ兵部卿、薫る中将と聞きにくく言ひつづけて…」に因む。本来の題は「匂兵部卿(におうひょうぶきょう)」で、「匂宮」は略称。光源氏の子孫とその縁者の後日談を書く。 #『源氏物語』に登場する架空の人物の通称。「匂兵部卿宮(におうひょうぶきょうのみや)」とも。第三部「宇治十帖」の中心人物の一人。
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== 巻名について == 本巻は、現在では一般的には「匂宮」の巻名で呼ばれている。しかしながら『源氏釈』、『奥入』、『紫明抄』、『河海抄』、『弘安源氏論議』といった平安時代末期から室町時代初期までの注釈書、さらには『白造紙』の源氏物語巻名目録や『源氏物語古系図』(為氏本、正嘉本)といった文献ではすべて「匂兵部卿」と呼ばれており、この「匂兵部卿」が本巻のもともとの巻名だったと考えられる。「匂宮」という巻名は、鎌倉時代初期に成立したと見られる源氏供養のための漢文体の願文(表白文)である『源氏物語願文』がおそらく初出であるが、広く使われるようになるのは『仙源抄』(「匂宮」に「水原に匂兵部卿とあり、紫明抄に匂兵部卿一名薫中将とあり」との解説を加えている。)、『弄花抄』、『細流抄』、『孟津抄』といった室町時代以降の注釈書であり、それが江戸時代の『源氏物語』の版本によって一般化したと考えられる。なお、『奥入』や『弘安源氏論議』では上記の通り本巻の巻名を「匂兵部卿」としながらも、「別の呼び名」として「薫中将」なる巻名を挙げており、『源氏物語表白』では「薫大将」という巻名を記している。清水婦久子は、本巻の巻名が「匂兵部卿」から「匂宮」に変わったのは、巻名を和歌の中に取り込んだ『源氏物語巻名歌』を詠むにあたって「匂兵部卿」よりも「匂宮」の方が詠み込み易かったからではないかとしている〔清水婦久子「源氏物語の巻名の基盤」森一郎編『源氏物語の展望 第1輯』三弥井書店、2007年3月、pp.. 171-207。 ISBN 978-4-8382-3152-2 〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「匂宮」の詳細全文を読む
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