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匍匐茎[ほふくけい] 匍匐茎(ほふくけい、stolon)は、植物において、地上近くを這って伸びる茎のこと。匍匐枝(ほふくし)、ランナー(Runner)と呼ばれることもある。匍匐茎の節から、新しい植物体(ラメット)が形成される。なお、匍匐茎などで一つながりになっている個体全体のことは、ジェネット(栄養繁殖集合体)という。 == 概要 == 匍匐茎は、節から不定根を伸ばす点や、通常上方向ではなく地面と水平に伸長する点などで、通常の茎と異なる。また通常の茎に比べて、節間が長くなり、節から出る葉の数も少ない。匍匐茎や匍匐茎に似た形状の地下茎から生じる植物体は、匍匐茎性(stoloniferous)の植物と呼ばれることもある。なお、地下茎のように地中にある茎を匍匐茎と呼ぶこともある〔岩波生物学辞典 第4版〕。 匍匐茎による繁殖は栄養繁殖にあたり、匍匐茎から生じるラメットはすべて元の植物と遺伝的に同じクローンである。また植物によっては、匍匐茎を通じて同化産物などの資源をラメット間で受け渡すことができる(生理的統合)〔富松裕、木村恵、井上みずき(2007)「栄養繁殖と有性繁殖:クローナル植物をめぐる問題」日本生態学会誌 57 260-264〕。そのため、それぞれの個体がばらばらに生育するより効率的に生長することが可能となる。また、匍匐茎などで各ラメットがつながっている場合、あるラメットは光合成に特化し、あるラメットは地下部に栄養を貯蔵するなど、各ラメットがその環境に特殊化した分業を行うことができ、それぞれのラメットで不足する資源を別のラメットから補うことも可能になる〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「匍匐茎」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Stolon 」があります。
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