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薬草(やくそう)、 薬用植物(やくようしょくぶつ、)とは、薬用に用いる植物の総称である。そのままであったり、簡単な加工をしたり、有効成分を抽出したりするなどして用いられる。草本類だけでなく木本類も含むため、学問的な場面では、より厳密な表現の「薬用植物」のほうが用いられることが多い。 植物は多種多様な有機化合物を生合成している。薬用植物の主たる成分を挙げると、デンプン、イヌリン、脂肪油、タンパク質、蝋、粘液、ゴム樹脂、精油、バルサム樹脂、トリテルペン、ステロイド、サポニン、カウチュック、タンニン、リグナン、リグニン、配糖体、アルカロイド、カルシウム塩を挙げることができよう。特に、アルカロイドは生理活性物質が多いとされている。 薬用植物はさまざまな形で用いられており、そのままの状態で使うこと、簡単な加工をすることや、エキス剤にすること、有効成分を抽出することなどがある。世界各地で用いられている薬用植物を、その文化的文脈や用法で大まかに分類してみると、中国で伝えられた中薬や、日本に伝わった漢方薬、そして日本の民間医薬、ヨーロッパのハーブとスパイス、インド伝統医学で用いられる薬用植物、インドネシア、マレーシアなどで用いられてきた薬用植物、アメリカ大陸で用いられてきた薬用植物などに分類することも可能である。 人類はおそらく文字として歴史に残されていないくらいの大昔から薬用植物を用いてきたのだろうと考えられている。東洋と西洋において、先人の努力・経験によって得た薬用植物の効能は「薬用植物誌」あるいは「本草」にまとめられているわけであるが、互いに連絡がなかったであろうに、それらは驚くほど似通っている点が多い、といわれている。ただし、薬用植物の用い方については、古代から洋の東西によって相違点がはっきりと見られる。思考様式の違いによる、と考えられている。現代でも、欧米の国々(例えばドイツ、フランス、スイス、オーストリア…等々)でも、アジアの国々(例えば中国、インド、日本…等々)でも、その他の世界中の地域・民族も含めて、膨大な数の人々が薬用植物を活用しているのである。 薬用植物は、もともとは野生のものを採取していたが(野生品)、いくつかの理由から、栽培したものも用いられている(栽培品)。栽培品の場合、採取後、集荷業者、卸業者などを経て、医薬品メーカーで加工され、薬局・薬店・病院などで販売されている。人が服用するものであるので、採取や加工は一定の方法が守られており、規格や取り扱い方法について各国で公的な規準が定められている。 世界各地の様々な伝統医学が、今日も現役の医学として多くの人々の健康を支えているわけであるが、そういった伝統医学では一般に、薬用植物を用いて疾患の治療、病気の予防、健康の維持や向上を実現しているわけである。 近年、大学や研究所などにおいて、東洋医学や、東洋医学的な薬用植物の活用法について、西洋医学的な見地からの研究・実証が進んでいる。基礎的研究や臨床治験の成績は、質量ともに目覚ましい展開を見せており、東洋医学の有用性を西洋医学的な見地から見ても裏付ける形となっている。推計学的に有意の差をもって東洋医学の有効性を示すものが多い。基礎医学的研究も、漢方薬の有用性を現代医学的に裏付ける結果を示すものが多い。 == 薬用植物の用いられる形態 == 薬用植物の用いられ方は、現代では次のようなものがある。 * そのまま植物の形で用いる方法 * 簡単な加工をして用いる方法(生薬) * エキス剤にして用いる方法 : 例えば、漢方製剤など。日本のイチョウも日本国外で製剤として用いられている。 * 有効成分だけを抽出・単離し製剤として用いる方法 : 例えば、ジギトキシン、ベルベリン、コデイン、モルヒネなど * 成分を抽出しそのままでなく、さらに化学構造を変化させてから用いる方法 : 例えば、ジオスゲニンを元にしてコルチゾンなどのステロイドホルモンが作られている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「薬草」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Medicinal plants 」があります。 スポンサード リンク
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