|
化石人類(かせきじんるい、または''fossil man'')は、現在ではすでに化石化してその人骨が発見される過去の人類〔阿部(1997)p.156〕〔大塚・戸沢(1996)p.56〕。人類の進化を考察していくうえで重要な化石資料となる。資料そのものは化石人骨(かせきじんこつ)とも称する。また、主に第四紀更新世(洪積世)の地層で発見されるので更新世人類ないし洪積世人類とも称する。 == 概要 == 化石人類(化石人骨)は、人類学とくに古人類学(化石人類学)においてきわめて重要な資料である。その形質的な研究によって、人類の進化過程が徐々に明らかにされつつある。化石人類は大きく、 # 猿人 # 原人 # 旧人(古代型ホモ・サピエンス) # 新人(現代型ホモ・サピエンス) に大別される。化石人類は、本来は化石として現れた人類のことで歴史時代の現生人類とは区別した呼称であるが、このうち新人は現世人類との形質上の差はない。 人類の進化を研究していく場合には、猿人に先行する霊長類も含め、上に掲げた4種とあわせ5段階で考察する〔香原(2004)〕。人類の基本条件としては「直立二足歩行」があげられる〔言い換えれば、類人猿と猿人との区別は直立二足歩行を可能とする形質の有無だけである。〕。また、犬歯の縮小もこれにともなう〔。直立二足歩行は腰や足の骨で判断していくが、それは同時に重い頭骨を支えることを可能にするので、頭蓋容量も各段階で大きく変化し、これは脳の体積、さらには人類の進化程度を示唆している〔。なお、2つの段階の中間形態を示す化石も存在している。 猿人段階のアウストラロピテクス類、原人段階のホモ・エレクトゥス類、旧人段階のネアンデルタール人などを中心に世界的には多数の発見例があるが、日本においては土壌・気象・気候・地形などいずれをとっても人骨ののこりにくい条件がそろっているため、出土例が少ない。なお、約3万年前の洪積世人類であるクロマニョン人は新人に属する。 近年、「最古の人類」として注目をあびているのが、アフリカ大陸中部で600万年前から700万年前にかけての地層より出土したサヘラントロプス・チャデンシス (''Sahelanthropus tchadensis'')である〔「トゥーマイ猿人」の名で知られるが、「トゥーマイ」とはチャドの現地語で「生命の希望」という意味である。〕。ただし、頭骨のみの出土なので「直立二足歩行」が可能であったかについての確証はいまだ得られていない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「化石人類」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|