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北方十字軍(ほっぽうじゅうじぐん)あるいはバルト十字軍は、カトリック教徒の王であるデンマーク、スウェーデン、ポーランド〔von Güttner-Sporzyński, Darius (2014). Poland, Holy War, and the Piast Monarchy, 1100-1230. Turnhout: Brepols. p. 188. ISBN 978-2-503-54794-7.〕、そしてリヴォニア帯剣騎士団、ドイツ騎士団によって開始された十字軍のことで〔von Güttner-Sporzyński, Darius (2014). Poland, Holy War, and the Piast Monarchy, 1100-1230. Turnhout: Brepols. p. 188. ISBN 978-2-503-54794-7.〕、北ヨーロッパおよびバルト海沿岸南東の異教徒に対して行われたカトリック教会諸国の同盟による遠征である。 スウェーデンとドイツによるフィンランド南部、ラップランド、カレリアとルーシ(ノヴゴロド共和国)の正教会地域に対する遠征もまた「北方十字軍」の一部と考えられている。〔エリック・クリスチャンセン著『北方十字軍』ニューヨーク : ペンギン・ブックス 1997年 ISBN 0140266534〕 == 背景 == 教皇クレメンス3世の1193年の呼びかけが北方十字軍の公式の発端となったが、それ以前からすでにスカンディナヴィアのキリスト教国と神聖ローマ帝国は隣接する異教徒の諸国の征服に取りかかっていた。 遠征の対象となった非キリスト教の人々は、様々な時代のものを含めると以下の通りである。 * リューゲン島・ポンメルン・メクレンブルクのヴェンド人およびリューゲン人(1147年にデンマーク、後にザクセン公国、ポーランド王国によって征服) * 現在のフィンランド人 *1154年に(議論もある)フィンランド南西部(Finland Proper)がスウェーデンによってキリスト教化(西方教会)された(1155年または1157年とも)。1249年頃にハメ、1293年にカレリアがスウェーデンの傘下に入った。後者の地域の人々は東方教会のノヴゴロド公国が奉じるの正教会の傘下に入っていたが、カトリック教会を奉じるスウェーデンからの干渉と弾圧を受けた。3分の2の正教徒が東方に亡命したが、3分の1はなおカレリアにとどまり、抑圧にもかかわらず正教の信仰を守る者も居た。現在のフィンランドは、カレリアを除いて構成されているが、フィンランド人の80.6%はプロテスタント(フィンランド福音ルター派教会)である(正教会は、福音ルター派教会と共にフィンランドの国教に定められているが、僅かに1.1%)。フィンランドは14世紀にスウェーデンと共に「スウェーデン=フィンランド」を形成し、カトリック化したが、16世紀の宗教改革によってそのままプロテスタント化する事となり、北欧諸国の一員となると共に、西欧諸国にも含まれる事となった。なお、カレリアは、フィン人にとって重要な歴史的地域であり、双方の文化の影響を受けたにもかかわらず、双方の中央からの末端であったため、その多くが維持されており、カレワラの詩歌は多くがカレリアとイングリアに起源を発している。先住民のフィン人は、北欧ペイガニズムの影響を受けているため、一般的にフィンランド人の視点からすれば世俗的である。 * エストニアとラトビア、リヴォニア(ドイツ人とデーン人によって1193年から1227年にかけて征服された) * リトアニア(13世紀はじめから1316年にかけてドイツ人がキリスト教化しようとしたが失敗した) * クロニア人(Curonians)とセミガリア人(Semigallians) * 古プロイセン人 * ポラーブ人(Polabians)と Abotrites (エルベ川とオーデル川の間の民族) バルト人とバルト海沿岸まで移住していたスラヴ人との間の武力衝突は、十字軍以前から何世紀ものあいだ常態化しており、南のサクソン人と西のデーン人にも波及していた。十字軍以前の戦いは、主に陸上貿易と海上貿易のルートを統制しようという意図によって引き起こされ、バルト地域への経済的優位を確立するための戦いだった。そして、十字軍も基本的にこの衝突のパターンを継承した。軍事作戦は、教皇の呼びかけにより動機を正当化された騎士団と武装僧によって開始された。最初の遠征は聖地に対する第2回十字軍と並行して1100年半ばに着手され、16世紀まで不定期に継続された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「北方十字軍」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Northern Crusades 」があります。 スポンサード リンク
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