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「北守将軍と三人兄弟の医者」(ほくしゅしょうぐんとさんにんきょうだいのいしゃ)は宮沢賢治の短編小説(童話)。数少ない宮沢賢治の生前発表作品である。佐藤一英編集の季刊誌「児童文学」の創刊号(1931年7月)において発表された。この前の形の作品として「三人兄弟の医者と北守将軍」がある。賢治はこれに10年ほど改稿を重ねこの本篇を完成させた。また作中で兵隊の歌う軍歌は、『唐詩選』巻六の盧綸「和張僕射塞下曲」および同巻七の張仲素「塞下曲二」の前半部を踏まえている。 == あらすじ == ;一、三人兄弟の医者 :むかしラユーという町に兄弟三人の医者がいた。長男リンパーは普通の人の医者、二男リンプーは馬や羊の医者(獣医)、三男リンポーは樹医であり、青い瓦の病院を三つ並べて建てて診療していた。 ;二、北守将軍ソンバーユー :30年間にわたって砂漠地帯で戦っていた北守将軍のソンバーユーは軍勢を率いてラユーに帰還する。しかし、あまりに長く乗馬して任に就いていたため、鞍から体が離れなくなっており、王から迎えの使者が来たときに下馬することができなかった。使者はこれを謀反の印と受け取り、引き上げてしまう。将軍は事態を解決するために医者を捜すことになった。 ;三、リンパー先生 :町人に教えられてリンパーのもとに将軍が訪れる。リンパーが将軍に問診で簡単な計算問題を出すと将軍は10%少ない値を答えた。リンパーは薬液で将軍を洗ってきれいにし、再度計算問題を出すと正しい答を返すようになった。将軍は鞍から降りることができたが、馬と鞍を離してもらうべく、隣のリンプーの家に向かった。 ;四、馬医リンプー先生 :リンプーは将軍の馬に塗り薬と飲み薬を与えた。鞍は馬からはずれ、馬も見違えるように元気になった。 ;五、リンポー先生 :リンポーの家で将軍は顔から生えていた植物(灰色の毛)を取り除いてもらう。 ;六、北守将軍仙人となる :将軍はお城で王に謁見した。王は引き続き軍務に就くことを求めたが、将軍は暇乞いをした。王が代わりとなる大将を5人挙げるよう促すと、4人の大将の名前を挙げ、残る1人の代わりに三人兄弟を国の医者とすることを望み、王もそれを許した。将軍は故郷の村に帰ったが、そのうち食べ物を口にしなくなり、やがて人前から姿を消した。人々は将軍は仙人になったのだろうと噂し、それをまつる祠を作った。しかしリンパーは将軍が雲だけ食べられるはずがない、どこかに骨があるはずだと会う人ごとに話し、そうだと思った人も多かった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「北守将軍と三人兄弟の医者」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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