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北条米(ほうじょうまい)は、茨城県つくば市の筑波山山麓で生産される特別栽培米。昭和時代初期には皇室に献上されていた米で、現在の主要な品種はコシヒカリである〔松本(2010):42ページ〕。 筑波山麓の穀倉地帯に産し〔財団法人常陽藝文センター・茨城新聞社出版局 編(2009):89ページ〕、つくば市農業協同組合が「筑波北条米」として、菅原精米工業が「小田北条米」として、それぞれ商標登録している。また米のまま販売するだけでなく、「北条米スクリーム」の名でアイスクリームとしても販売され、まちづくりに生かされている〔中小企業庁"新・がんばる商店街77選 選定事例一覧 "(2012年5月17日閲覧。)〕。 == 概要 == 2000年代以降の日本では、味と粘りの良い米が消費者の注目され、その中でも「地域ブランド米」と呼ばれる米に話題が集まり、北条米もその1つに挙げられる〔Nihei(2010):54ページ〕。 常陸北条米は、つくば市北条、筑波、田井、小田の4地域で生産された米のみに冠することのできるブランド名である〔。これらの地域は、筑波山南西山麓の桜川東岸に位置する〔〔茨城県地域史研究会 編(2006):117ページ〕、桜川低地と呼ばれ、標高10mから20mほどの平坦な地形上にある〔筑波町史編纂専門委員会 編(1990):626ページ〕。桜川低地は主に水田として利用され〔筑波町史編纂専門委員会 編(1990):627ページ〕、筑波山由来のミネラル分を多く含んだ水が流入する〔。この水が、米の旨味を引き出し〔、米だけでなく山麓で栽培される野菜類などにも甘みをもたらす〔。穂が成熟する「登熟期」に昼は高温、夜は低温となる気候的要因も重要である〔。 戦前には皇室献上米であり〔〔つくば市経済部農業課(年次不明):3ページ〕、既に米穀関係者に知られていた〔北条小学校"地域自慢心のふるさと わが街ほうじょう "茨城県(2012年6月4日閲覧。)〕。冷めてもおいしい、甘みがあるなどと消費者から評されている〔。その味は日本穀物検定協会による食味ランキングにおいて、魚沼コシヒカリと並ぶ「特A」を獲得している〔。アミロースとタンパク質の含有量が少ないことと水分量がちょうどよいことから、ほど良い粘りと弾力が保たれ、おいしくなるとされる〔。 レンゲソウを使った有機農法に取り組む栽培農家は、「まぼろしの」という言葉を用いて、北条米栽培のこだわりを示している〔。栽培面積は約26ha〔"北条米の田植え直撃 ぬかるむ中がれき撤去"朝日新聞2012年5月12日付朝刊、第2茨城13版28ページ〕。2011年(平成23年)の生産高は約3,800tである〔松尾博史"竜巻に負けぬ つくばの美味 北条米、粘り腰 ボランティアがれき撤去 農家、田植えを再開"東京新聞2012年5月31日付夕刊、D版1ページ〕。 北条米はブランド米であるばかりでなく、商店街の活性化においても鍵となっている〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「北条米」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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