翻訳と辞書 |
匪賊[ひぞく] 匪賊(ひぞく)は、「集団をなして、掠奪・暴行などを行う賊徒」を指す言葉。「匪」「賊」とも否定的な価値判断を伴う文字であり、かれらと敵対する側、すなわち取り締まり側(体制側)・被害者側の視点からの他称である。日本では、特に近代中国における非正規武装集団を指す。 == 近代中国の匪賊 == 19世紀以降、中国の中央政権は清から中華民国へと交替したが、その統治力は地方までは十分に及ばず、地方ではさまざまな武装集団が出現した。村落の自衛組織もあれば、侠客集団や盗賊集団もあり、その中で反体制的・反社会的なものが「匪賊」(「土匪」とも言う)と呼ばれた。 数十人から数百人、多い時は千人単位で農村などを劫掠する盗賊集団は、中国ではふつう会匪・股匪と呼ぶ。中には山塞などに拠って頑強に抵抗したものもあり、中華民国の初期、河南・陝西を荒らしまわった白狼匪は、その中でも最大かつ凶悪なものの一つであった。また、巨大な武装集団の中には、政府軍として公認・再編されて軍閥となったものもあり、王天縦・張作霖・馮麟閣らも、もとはこうした「匪賊」を出自とする。臨城事件の孫美瑶は政府に公認されなかった例である。 明治時代に中国大陸に進出した大日本帝国にとって、これら武装集団との接触は不可避なものとなった。1930年代以降、満州事変・満州国建国・日中戦争を経て中国の占領・支配政策を進める中では、鎮圧・討伐の対象となった。日本による支配に抵抗する抗日組織も、日本側から「匪賊」のカテゴリーに含まれることになった。「匪賊」の記録・研究が行われたのはこうした状況・関心によるものである。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「匪賊」の詳細全文を読む
スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース |
Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.
|
|