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『十便十宜』(じゅうべんじゅうぎ)は、清の劇作家李漁(李笠翁)が、別荘伊園での生活をうたった詩『十便十二宜詩』のうちの十便十宜(2つの宜の詩は見つかっていない〔レファレンス協同データベース、国立国会図書館 〕)のこと〔世界大百科事典〕。『十便十二宜詩』は、草蘆を山麓にむすんで、門をとじて閑居したところ、客の訪問を受け、静は静であろうが、不便なことが多いであろうといったのに対して、便(便利なこと)と宜(よいこと)の詩をつくってこたえたというもの。これに基づいて1771年に池大雅が「十便帖」、与謝蕪村が「十宜帖」を描き、合作した画帖が「十便十宜帖」である。慣用的に「十便十宜図」とも。大雅作の「釣便」は名高い。国宝。 川端康成が家を買うのをあきらめてこれを蒐集しており、現在は川端康成記念館蔵。志賀直哉は、大正時代に所有者だった松本枩蔵宅でこの実物を見て感動し、『座右宝』(自薦の美術図録。大正15年刊)のひとつに池大雅の「十便帖」を選んでいる〔。 == 十便帖 == 池大雅図。李漁が伊園においていう「十の便利」を絵画化したもの。自然と共に生きる人間の豊かさを画面いっぱいに描きこんでいる。 *耕便(こうべん) *汲便(きゅうべん) *浣濯便(かんたくべん) *潅園便(かんえんべん) *釣便(ちょうべん) *吟便(ぎんべん) *課農便(かのうべん) *樵便(しょうべん) *防夜便(ぼうやべん) *眺便(ちょうべん) 田を耕すに、水を汲むに、洗濯をするに、畑に水をやるに、釣りをするに、詩を吟ずるに、農を課するに、樵をするに、夜のしたくをするに、眺めるに便な生活であると詠んでいる〔: 生きられた日本の近代 2 呉谷充利 相愛女子短期大学研究論集 2000-03〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「十便十宜」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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