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十日の菊 : ウィキペディア日本語版
十日の菊[とおかのきく]

十日の菊』(とおかのきく)は、三島由紀夫戯曲。全3幕30場から成る。二・二六事件を、命を狙われた側から描いた悲喜劇である。クーデターで難を逃れ命拾いした大蔵大臣と、命を張って主君を助けた心の女中との16年後の再会から、人間の性格運命との関わり合いを描いている〔三島由紀夫二・二六事件と私」(『英霊の聲』あとがき)(河出書房新社、1966年。河出文庫、2005年)〕〔。作中では実際の事件を「十・一三事件」に変え、ヒロイン「菊」の名は、主君への一般的忠節を表しているが、すでにその(忠節)は、9月9日の重陽の佳節をすぎて廃物となった「十日の菊」と化していることを寓意させている〔 〔「十日の菊」とは、タイミングを失して役に立たないことの喩え。同様の意味の言葉に、5月5日の端午の節句を過ぎた「六日の菖蒲」がある。〕。第13回(1961年度)読売文学賞(戯曲部門)を受賞。
== 発表経過 ==
1961年(昭和36年)、『文學界』12月号に掲載された。初演はその号の発売直後の11月29日に文学座により第一生命ホールで上演された。単行本は、翌年1962年(昭和37年)3月20日に新潮社より刊行の『三島由紀夫戯曲全集』に初収録されたのち、1966年(昭和41年)6月30日に河出書房新社より刊行の作品集『英霊の聲』に、二・二六事件三部作(英霊の聲、憂国、十日の菊)の一つとして収められた。文庫版は河出文庫より刊行されている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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