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千坂光子 : ウィキペディア日本語版
千坂光子
千坂 光子(ちさか みつこ、1863年 - ?)は、貴族院議員千坂高雅の長女。大物政治家の名を騙って金品を騙し取った詐欺で1896年に逮捕され、裁判で有罪となり刑に服した。名家の令嬢が起こした犯罪であったことから、世間を大いに騒がせた。本名テルから光子に改名した。
== 略歴 ==
文久3年(1863年)、米沢藩士の父・千坂高雅と母・たき子の長女(7人兄弟の一人娘)として米沢で生まれる〔矢田插雲、春陽堂、1924〕。父は明治3年(1870年)から6年(1873年)まで洋行ののち、内務省書記官となった〔千坂高雅 | 近代日本人の肖像 〕。光子は米沢の小学校を卒業後、母とともに上京し、東京市麻布区市兵衛町2丁目(現・東京都港区六本木)の本邸から女学校に通い始める〔。13、14歳ごろから、本郷の母方の親戚宅訪問を口実にしては上野浅草を遊び回り、女中や車夫に口止め料を支払うような早熟な子供だった〔。
明治11年(1878年)に、参議兼大蔵卿だった大隈重信綾子夫妻の紹介で、北畠治房の次男・北畠友雄と16歳で結婚する〔。光子の父と大隈は仕事上で知り合い、大隈と北畠は自邸が麹町区飯田町1丁目(大隈重信雉子橋邸)の隣同士で知り合いだった〔。水戸の警察署長に就任した友雄に伴い水戸へ転居後、友雄が芸妓遊びを覚え、光子は婦人病(千坂高雅によると北畠からうつされた梅毒〔)の治療入院のため18歳で東京に戻り、そのまま離婚となる〔。入院で知り合った27歳の担当医と懇ろとなり、その愛人である烏森芸妓とも親しくなり、遊興のために散財を繰り返していたが、石川県令を辞して帰京した父親から叱責され、家出するも連れ戻されて座敷牢に軟禁される〔。
明治16年(1883年)、岡山県令(明治19年(1886年)より岡山県知事)となった父に伴って一家で岡山へ転居後、岡山カトリック教会へ通い、21歳で受洗して洗礼名アガサを受け、クリスチャンとなる〔『岡山カトリック教会百年史』岡山カトリック教会, 1983〕。明治19年には、イエズス会のシスターを岡山に招き、岡山市初の私立女子高・岡山女学校(現・ノートルダム清心女子大学)を千坂つる(テル?)名で創立する〔ノートルダム清心女子大学〕。県知事の娘としてもてはやされ、信者らからも接待されるうちに、再び放蕩が始まる〔。
鹿児島県出身の岡山県庁土木課長の工学士・長崎豊十郎と23歳で再婚し、10年近く一緒に暮らしたが、2人して花柳界で派手に遊び、多額の借金を作ったことが父に知られ、明治26年(1893年)に長崎は県庁を辞し、光子は実家に引き取られた〔。光子は米沢の叔父の家に送られることになったが、途中で逃げ出し、父から勘当され、東京の麹町区土手三番町に転居していた長崎と同居を始める。しかし、内務省傭技師の職を得た長崎が、朝鮮公使井上馨に随行することとなり、光子を置いて出港してしまう〔。長崎は明治28年(1895年)に設立された唐津興業鉄道株式会社の設計責任者技師長・兼建築課長に就任するが、翌年引責辞職し〔東定宣昌、九州大学『比較社会文化』第1巻(1995年)〕、別の女性と結婚して台湾へ渡る〔。 
長崎に捨てられた光子は、周旋屋の口ききで西洋人の妾になるがうまくいかず、長崎の知人である成金・岩城矢之助の世話になったのちに、千葉県九十九里浜片貝村の料理業高根屋米蔵の酌婦となり、実年齢より一回り若い明治7年(1874年)生まれの神戸士族出身「上野てる」の偽名で働きはじめる〔。以降、光子の詐欺行脚が始まり、明治29年(1896年)に逮捕されるまでの2年ほどの間に、華やかな肩書や上流社会との繋がりを匂わすことで、次々と被害者を増やしていった。明治30年(1897年)に裁判にかけられ、重禁固1年半、罰金10円、監視6月の有罪判決を受け〔『新聞集成明治編年史. 第十卷』林泉社、1936年-1940年〕、市ヶ谷監獄に収監された〔 花井お梅と千坂光子 『新聞集成明治編年史. 第十卷』林泉社、1936年-1940年〕。明治32年(1899年)に出所後は、千坂家に引き取られ、奈須温泉にある当家の別荘で監視付き生活を送った〔。宮武外骨によると、たびたび逃げ出しては「米沢新聞」のネタになっていたという〔『明治奇聞. 第2編』宮武外骨、半狂堂、大正14年-15年〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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