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協栄生命保険 : ウィキペディア日本語版
協栄生命保険[きょうえいせいめいほけん]

協栄生命保険株式会社(きょうえいせいめいほけん)は、かつて存在した日本の生命保険会社。
自衛隊学校の教職員を主な顧客基盤としていた。
バブル期の高利回りの長期運用商品を販売した結果、逆ザヤが累積し破綻した。負債総額は4兆5297億円となり、戦後最大の倒産となった。破綻後は、プルデンシャル・ファイナンシャルグループがスポンサーとして更生計画を策定し、現在はジブラルタ生命保険が契約を引き継ぎとして業務を行っている。
== 沿革 ==
1933年生命保険協会が「弱體(体)保險(険)資料調査報告書」を発し、各会社が販売した弱体保険再保険する弱体再保険会社を立ち上げる構想を練った。1934年春に設立委員会、11月に矢野恒太を座長とする設立準備委員会を立ち上げた。1935年弘世助太郎を委員長とする創立委員会は、資本金100万円、日本生命常務取締役の田中弟稲を社長に任命し「協榮生命保險再保險株式會社」の設立を決定、12月3日に創立総会を開いて発足した。1936年1月、東京丸の内丸ノ内八重洲ビル4階に30坪の事務所を借り、10人足らずの従業員で出発した〔私の履歴書 168頁〕。
業績は1940年ごろから向上しはじめ〔私の履歴書 171頁〕、また1941年から始まった太平洋戦争で同じ階に本社があったマニュファクチャラース社など4社の敵産管理を行い、12,000件、契約高5,200万円、資産3,000万円弱の保険契約を引き受けることとなった。1942年当時では契約高6,342万円、再保険料86万円の規模の会社となった。1943年には日本生命の希望で高額の再保険の販売を開始、戦時下のインフレーションにより高額契約が急増することとなる〔私の履歴書 174頁〕。しかし1945年、国策により「生命保險中央會」が設立され、吸収された。
終戦後、解散する生命保險中央會の保有契約の引き受けと残務処理機関として新会社を設立する必要があった。そこで、協栄生命の設立に関わり、設立後にアクチュアリーとして働いていた川井三郎が中心となって、会社の再建に奔走。敵産管理していたカナダのサンライフ社(:en:Sun Life Financial)の支配人から、引き続き契約を委託させたいとの申し出もあり、GHQからの承認を取り付けた。創立の条件として、名称を「協栄生命保険」とすること、株式会社とすること、再保険の専売を認めないこと、が付けられた。1947年5月5日、創立総会を行い「協栄生命保険株式会社」が発足した。川井はレッドパージを受けていた朝日生命社長の藤川博が朝日生命に復帰できなかった場合に社長に迎えようと、社長を空席として川井が専務取締役となっていた。しかし、藤川が朝日生命に戻ったため、同じく社長を空席として専務に就いていた三井生命井上八三と申し合わせて、1948年11月に社長に就任した〔私の履歴書 184頁〕。会社は、日本橋芳町(現在の日本橋人形町)の延べ50坪のビルを事務所として社員21人で再出発した〔私の履歴書 185頁〕。その後、1948年5月に呉服橋に移転し、その後に日本橋本石町中央区立常盤小学校の隣地100坪に2階建ての本社社屋を建設した。1950年には世田谷区等々力に別館を設置した。
関係企業も資金力も乏しい協栄生命は団体保険に参入できずにいたが、1950年に設置された警察予備隊の死亡保険に参入。後に、自衛隊保険として協栄生命の大きな顧客となっていくこととなる。1958年で、支社32、内勤職員690人、外勤職員3,000人、契約高1,450億円、資産37億円の企業に成長した。1963年には本社社屋を9階建てに改築、その後も支社を続々と改築した。
1969年には、ブラジルに「ブラジル協栄生命」を設立。1971年、前年から副社長に就いていた大蔵省出身の亀徳正之が社長に就任し、川井は会長となった。1972年沖縄返還時には、1967年から再保険契約を結んでいた沖縄生命保険の保険契約承継と希望する社員の受け入れを行い、事実上併合した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「協栄生命保険」の詳細全文を読む



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