|
単一レベル記憶(たんいつレベルきおく、)は、コンピュータが使っている記憶装置について、アプリケーションソフトウェアに対して主記憶装置と補助記憶装置の区別を意識させずに、ただ一つの巨大なアドレス空間で管理する仮想記憶のメモリ管理技術である。 入出力が非常に高速、プログラム実行の際に磁気ディスク装置から主記憶装置へのロードが不要、ユーザー (やオペレータ) から見て、磁気ディスク装置の管理が単純になる(たとえば、通常の管理業務では必須となるファイルシステムによるフォーマット等を必要とせず、単に新しいディスクを接続すればシステムの使える資源が増える、といったように)、などの特長がある。 単一レベル記憶は、Multics、IBMの System/38 、AS/400 (およびその後継システムの eServer iSeries 、System i 、Power Systems i Edition)などで採用されている。 == 概要 == 単一レベル記憶 (SLS) の仮想記憶によるメモリ管理での記憶装置のアドレス空間は、一定の大きさのページと呼ばれる単位 (IBM AS/400 では4KB) で区分されている。 あるページは、主記憶装置上にあるかもしれないし、補助記憶装置上にあるかもしれない。あるページ (データ) が主記憶装置 (メインメモリ) と補助記憶装置 (磁気ディスク装置など) のどちらに存在するかについては、アプリケーションソフトウェアは意識することが無い (知る必要は無く、また知ることはできない) 。ページ (データ) の現在の場所が主記憶装置と補助記憶装置のどちらであるかは、アプリケーションソフトウェアにとっては重要なことではないのである。 あるページが主記憶装置と補助記憶装置のどちらに存在するかについては、単一レベル記憶を担うシステムコンポーネントが管理している。このシステムコンポーネントが、ページの割り当てを主記憶装置および補助記憶装置上で管理して、アプリケーションソフトウェアを含めたプロセスに対して利用できるようにする責任を担っている。 ページへのアクセスが発生した際、そのページが * 主記憶装置上に存在する場合は即座にそのページは利用することができる。 * 補助記憶装置上に存在する場合はページフォールトが発生して、システムコンポーネントが補助記憶装置上のページを主記憶装置上に展開して利用できるようにする。 単一レベル記憶ではシステムに接続されている全ての記憶装置をカバーできるような大きなアドレス空間が必要となる (32ビットアドレスのシステムでは全部で4GBのアドレスを指定できるが多くの場合これでは不十分である) 〔フランク・ソルティスほか (1998) 、p.232〕。 IBM System/38 と初期の AS/400 では48ビットアドレスを使用していたため充分に大きいアドレス空間を使うことができた。 なお AS/400 はその後アドレス空間が拡張され、2006年現在では64ビットアドレスを使用している〔フランク・ソルティスほか (1998) 、p.233〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「単一レベル記憶」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|