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単粒子解析法[たんりゅうしかいせきほう]
単粒子解析法(single particle analysis)とは、透過型電子顕微鏡下で多数の均一な粒子を観察、撮影し、画像処理によって粒子の詳細な構造を得る手法。単一の撮影像よりも分解能を向上させることができるほか、様々な方向を向いた粒子を撮影することで、3次元立体構造を把握することも可能となる。低温電子顕微鏡法の利用とともに主にタンパク質などの生体高分子やウィルスなどの解析に用いられ,近年各種解析手法や検出器の向上により分解能がサブナノメートルを切るようになってきた。 == 画像の整列と分類 == 生物試料,特に氷包埋された試料などは,無機金属や半導体などと比べると,電子線ダメージに非常に弱くすぐに変形してしまう.電子線をなるべく試料に当てない低照射条件で撮影すると,よほど高価な検出器を買わない限り,低倍率でしか十分な明るさが得られず,目的とする物質の信号強度(像コントラスト)がアモルファス氷などのノイズに対して小さい(S/N比が小さい).目的とする物質のS/N比を上げるため,いくつか似たような画像を集めて整列させ,その平均をとると,アモルファスノイズ部分はランダムなので均一となり,目的物質のコントラストのみが強調される.画像の整列(位置補正と面内の回転補正)は,通常それぞれの画像の相互相関を計算して位置決めされるが,バンドパスフィルタなど各種のフィルターを用いることで精度を上げることができる. しかしながら,ランダムに分散した試料の向きはバラバラで,色々な方向を向いていたり,さらには同じ粒子でも立体配座が異なるものが存在することがあるため,似たような画像をグループ分けして分類する必要がある.このような整列と分類の画像解析アルゴリズムは,多変量解析,k平均法などのデータ・クラスタリングが用いられる.
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「単粒子解析法」の詳細全文を読む
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