|
結晶学において、空間充填率(あるいは充填率)とは、結晶構造の体積のうち、どれだけの割合を原子が占めているかを表す値である。この値は無次元量で、つねに1より小さい。実際上は、ある結晶構造についての充填率は、原子が変形しない球であると仮定して算出される。原子球の半径は、原子同士が重なり合わないような最大値として設定される。1種類の原子しか含まない結晶では、充填率は : のような数式で表される。ここで、''N''atoms は単位格子中の原子数、''V''atom は1原子あたりの体積、''V''unit cellは単位格子自体の体積を表す。結晶が1種類の原子からできている場合、いちばん密な配置の充填率はおよそ0.74となることが数学的に示されているが、実際には原子間に働く要因でこの値を越えることがある。複数の原子から成る構造では、充填率が0.74を越えることもある。 == 計算例 == ===体心立方格子=== 体心立方格子構造の基本単位格子には、頂点に1つずつと中心に1つの、合わせて9つの原子が含まれている。頂点の原子は隣接する単位格子間で共通なので、単位格子に入る原子は2つ分となる。 頂点にある原子と中心にある原子は接している。立方体に対角線を引くと、それは中心にある原子を貫通し、頂点にある原子の中心と中心を結ぶため、その長さは原子半径を''r'' として4''r'' となる。一方、立方体の対角線の長さを幾何学的に求めると''a'' √3となる。この2つが等しいので、体心立方格子の一辺''a'' は、原子半径''r'' から : というように決まる。そして、球の体積の公式(''V''atom = (4/3)π''r'' 3)を使えば、充填率APFを次のように計算することができる: : 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「空間充填率」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Atomic packing factor 」があります。 スポンサード リンク
|