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原子力空母(げんしりょくくうぼ)とは、軍用航空機を海上で運用することを目的に作られた航空母艦(空母)のうち、原子炉を搭載し核反応による反応熱を熱源とする機関を備える戦闘用の船である。全てが原子炉と蒸気タービンを備えた大型の艦船であり、長大な航続力を誇る。 原子力空母は英語では nuclear-powered aircraft carrier と表記されることが多い〔日本の英語辞書にある nuclear aircraft carrier はあまり用いられていない。〕。アメリカ海軍で用いられている記号 CVN は、「原子力汎用航空母艦(Multi-purpose Aircraft Carrier (Nuclear-Propulsion))」を意味する船体分類記号〔船体分類記号については Hull classification symbol を参照。〕であり、Carrier Vessel Nuclear の略称に由来する〔CVN 表記の出典は『英和・和英 米軍用語辞典 第3次改訂版』(森沢亀鶴、学陽書房、ISBN 4-313-95007-9)〕。 == 概要 == 最初に建造されたのは1960年進水のアメリカ海軍の「エンタープライズ」である。移動できる兵器としては人類最大のものである。そのため、多くの映画・小説・テレビ番組にも登場し、アメリカ海軍の象徴的な存在である。 2015年現在、原子力空母を運用しているのはアメリカ海軍のニミッツ級10隻とフランス海軍の「シャルル・ド・ゴール」の合わせて11隻だけである。旧ソ連海軍も計画していたが、ソ連崩壊により中止された。 アメリカ海軍で90機、仏海軍のシャルル・ド・ゴールで40機ほどの各種航空機を艦内に収容して、海上戦闘、航空戦闘、陸上への戦力投射、輸送、軍事活動支援、人道援助、外交などの各種活動に多角的に対応できる柔軟性を持つ。 アメリカ海軍では空母打撃群(Carrier Strike Group, CSG)の中核となり、空母の船としての指揮は艦長である大佐が行い、空母航空団(Carrier Air Wing, 略記号ではCVW)の指揮官はCAG(キャグ、Commander, Air Group)と呼ばれる別の大佐が行なう。空母打撃群を指揮する少将のもとに両大佐が直属する。なお、艦長を補佐する副長(XO)も、CAGを補佐する副CAG(DCAG)も共に大佐である。 1艦に2,000人から5,500人もの人員が乗り込み、何ヶ月もの長期(多くが6ヶ月間)に渡り本国を離れた遠い洋上で生活するため、艦内に診療室、床屋、郵便局、売店、教会などを備えた小さな街を形成している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「原子力空母」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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