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原子力工学における原子炉(げんしろ、)とは、制御された核分裂連鎖反応を維持することができるよう核燃料などを配置した装置を言う〔制御された核融合の連鎖反応を維持する炉である核融合炉と区別するために、特に核分裂炉と呼ばれることもある。〕。 == 概要 == 235U や 239Pu などの核分裂性物質が中性子を吸収することで発生する核分裂反応は、新たに中性子、すなわち即発中性子(prompt neutron)と遅発中性子(delayed neutron)を放出する。 これら中性子は平均約2MeVのエネルギーを持っているが、媒質中にまだ核分裂性物質が存在していれば、中性子はそれらとまた核分裂反応を起こしてまた新たな中性子を放出する。この過程は次々と繰り返され、いわゆる連鎖反応、すなわち核分裂連鎖反応(fission chain reaction)を起こす。 この核分裂連鎖反応を極めて短時間のうちに行わせ膨大なエネルギーを瞬時に放出させるものが原子爆弾であり、核分裂連鎖反応を制御した形で発生させることで、核分裂のエネルギーなどを安全に取り出すための装置を原子炉(nuclear reactor)と呼ぶ〔安(1980) p.26〕。 なお、制御された核融合反応を維持することで核エネルギーを取り出す核融合炉〔実用規模のエネルギーを生成可能な核融合炉はいまだ存在しないが、現在計画中のITER(国際熱核融合実験炉)では最大で50万kWの出力(熱出力)が期待されている。ITERの設計とは?(日本原子力研究開発機構) 〕については以下を参照。 ほか、人工の原子炉に似た特定の条件下では天然の核分裂炉ができることがある。知られている唯一の天然原子炉はガボン共和国のオートオゴウェ州オクロ〔現在でもウラン鉱床として稼働しているといわれる。〕に20億年前に形成されたオクロの天然原子炉がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「原子炉」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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