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原子炉圧力容器[げんしろあつりょくようき] 原子炉圧力容器(げんしろあつりょくようき、、、以下「圧力容器」)とは、原子炉の炉心を収めた状態で内部の圧力を保持する容器である。
== 概要 == 原子炉圧力容器は炉心の入れ物であり、内部の高温高圧に耐えながら外部との間に冷却材を流通させる概ね円筒状をした鋼鉄の構造物である。圧力容器の役割には、原子炉の5重の壁の1つとして炉心で発生した放射性物質および放射線が炉外に漏れないように確実に外部と遮断し遮蔽することも含まれる。原子炉容器と呼ばれることもある。 「ふた」や「上蓋」、「上鏡」と呼ばれる上部の圧力容器蓋と「容器胴」や「胴部」と呼ばれる圧力容器本体とは円筒部の上端で多数のボルトによって締結されており、必要に応じて開口できる。圧力容器の蓋または底部のいずれかには制御棒駆動用の棒が貫通する復数の穴があり、側面には幾つかの「ノズル」と呼ばれる冷却材の流路が開口している。また測定器用の穴も各所に開口している。蓋の上端にも空気抜き用や冷却用の穴がある。一般的に重量は円筒部の下端付近の「支持スカート」で支えられる。圧力容器内面には多数のブラケットが取り付けられ、一般的にはステンレス鋼やニッケル系合金の内張りがなされている。圧力容器内には炉心と炉心を支えるための支持構造の他に、冷却材を循環させるための流路やその関連装置などの炉内構造物が収められている。 圧力容器を構成する主な材質は、高温高圧に耐えて耐食性に優れ、冷却材と化学反応を起こさない、中性子照射による脆性破壊の影響(下記で詳述)が少ない、又はそれが予見できることが求められ〔神田誠、他著 『原子力プラント工学』 オーム社、2009年2月20日第1版第1刷発行、ISBN 9784274206603 〕、概ね厚さ15-30cmの鋼鉄が使用される。形状は原子炉の形式の違いによって多様である〔輸送手段が鉄道であるロシア型加圧水型原子炉のような場合、圧力容器の形状は通常よりも縦長となる。〕。 軽水炉でも沸騰水型原子炉と加圧水型原子炉では圧力容器の設計は異なる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「原子炉圧力容器」の詳細全文を読む
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