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同士討ち[どしうち, どうしうち]
同士討ち(どうしうち)、御方討ち〔『吾妻鏡』における中世での表記。また、現代では余り用いられないが、『源平盛衰記』では、「友争い」とも記し、「友討(ともうち)」といった語も存在する(今でいう友軍相撃に近いニュアンス)。〕(みかたうち、味方討ち)、同士戦〔『平家物語』及び『承久記』の表記例。「どうし」ではなく、「どし」と読む。〕(どしいくさ)、友軍相撃(ゆうぐんそうげき)、友軍による誤射、誤爆〔「英和/和英対訳最新軍事用語集」2007年〕は、武力を有した集団などが、友軍および同盟関係にある兵に対して、誤って攻撃をしかけ、損害を与える状況を指す(実戦のみならず、訓練中でも起こりうる)。また、作戦次第で敵の同士討ちを誘う戦法としても用いられる。 個人同士(一対一)における相打ちとは意が異なる(相打ちは敵に対しても用いられる語)。意図して同士討ちを行った場合は、これを「裏切り」行為という(精神錯乱時はケースにより解釈が異なる)。古くから同士討ちを行ってしまった場合の責任の取り方(現代でいう軍法・軍規)が定められており、『吾妻鏡』の12世紀末の記述として、鮫島氏が御方討ちをしたため、右手の「指切」〔弓を引けなくなるため、指切は片手でも十分な罰となった。〕に処されたことが載せられており、武家社会では習わしとしての刑が採用されていた。 == 近戦における同士討ち == 闇夜における奇襲時や濃霧〔例として、二次大戦下における米軍のキスカ島上陸作戦。〕など周囲が視認しがたい状況下で同士討ちは起こりやすく、そのため、混戦を想定し、前もって合言葉を定めて対処する場合がある〔例として、『日本書紀』壬申の乱(7世紀末)時、合言葉を定めて、同士討ち(斬り合い)を防ぎながらも奇襲に成功した記述があり、好例といえる。〕。合言葉は、声が重要となる状況での接近戦闘を想定したもので、周囲が目視できる状況下では、家紋、紋章、現代では、国旗、軍旗・所属部隊のマークなどで、友軍かどうかを識別し、同士討ちを防ごうとする。 また、戦場ではなく、格闘技のタッグ戦でも起こる。例として、プロレスのタッグマッチ形式の試合・レスリング場においての同士討ちである。この場合は、相手方が朦朧とした状態で押さえ込まれていると油断して、突進してから攻撃を仕掛け、直後に避けられ、味方を攻撃するというもので、他にも、リングの両端から挟みこんで、中央にいる相手に向かって同時攻撃を仕掛け、避けられて同士討ちする場合もある(プロレスでは演技で同士討ちを誘う)。これらの同士討ちは、「観客を魅せるための演出」の場合もあり、タッグマッチ形式における「逆転劇の演出」としても同士討ちは効果的である。このように、近戦における同士討ちは演出としても好まれる手法である。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「同士討ち」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Friendly fire 」があります。
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