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数学の線型代数学において、ある添字集合 ''I'' によって添字付けられるベクトルの基底 ''B'' を備えるあるベクトル空間 ''V'' が与えられたとき(''I'' の濃度は ''V'' の次元に等しい)、その双対集合(そうついしゅうごう、)とは、同じ添字集合 ''I'' を伴う双対空間 ''V'' * 内のベクトルの集合 ''B'' * で、''B'' と ''B'' * が二重直交系を構成するもののことを言う。双対集合は常に線型独立であるが、''V'' * を張らないこともあり得る。その双対集合 ''B'' * が ''V'' * を張るとき、''B'' * は基底 ''B'' に対する双対基底(そうついきてい、)と呼ばれる。 基底ベクトルを と で表すとき、二重直交とは、それらの組合せが、添え字が等しいときに 1 と等しく、添え字が等しくない場合には 0 になることを言う。記号的には、''V'' * 内の双対ベクトルの、元の空間 ''V'' のベクトルでの値は次のように表される: : ここで はクロネッカーのデルタを表す。 == 存在と一意性 == 双対集合は常に存在し、''V'' から ''V'' * への単射、すなわち、''v''i を ''v''i へ送る写像を与える。このことは特に、双対空間の次元は ''V'' * の次元以上であることを意味する。 しかしながら、無限次元の ''V'' の双対集合は ''V'' * を張らない。例えば、すべての ''i'' に対して ''f''(''v''i)=1 で与えられるような ''V'' から ''F'' への写像を考える。この写像は明らかに、すべての ''v''i 上で非ゼロである。''f'' が双対基底ベクトル ''v''i の有限の線型結合、すなわち、''I'' のある有限の部分集合 ''K'' に対して で与えられるものであるなら、''K'' に含まれない任意の ''j'' に対して が成立するが、これは ''f'' の定義に矛盾する。したがって、そのような ''f'' はその双対集合の包には属さない。 無限次元空間の双対は、もとの空間よりもより高い次元(高次無限濃度)を持ち、したがって同一の添字集合を備えるような双対空間の基底は存在しない。しかしながら、ベクトルの双対集合は存在し、それはもとの空間と同型であるようなその双対空間の部分空間を定義する。さらに、線型位相空間に対し、連続的双対空間を定義することが出来、そのような場合には双対基底は存在し得る。 ;有限次元ベクトル空間 有限次元ベクトル空間の場合、双対集合は常に双対基底であり、一意的である。それら基底は ''B'' = および ''B'' * = と表記される。あるベクトルについての余ベクトルの評価をペアリングで表すとき、二重直交性の条件は次のようになる: : このことは、「あるベクトルとのペアリング」を「その対応する余ベクトルによる評価」と定義することによって、二つのベクトルの間のドット積(内積)を定義することに繋がる。基底ベクトルに対して、これは を意味し、基底ベクトルは を満たす。 ここで、前述のデルタの上付き添字と下付き添字の記号は、通常、余ベクトルを使っているものとベクトルあるいは二つのベクトルを符合させるために変化するものである。形式的に言えば、 は反変計量テンソル、 は共変計量テンソルと見なされ、これは の最も簡単な例である。 ある双対基底と基底の組合せは、''V'' の基底の空間から ''V'' * の基底の空間への写像を与え、これはまた同型でもある。実数のような位相体に対して、双対の空間は位相空間であり、これはそれらの空間の基底のの間の位相同型を与える。 有限次元においては、二重直交性の条件は双対の各元に対し ''n'' 個の線型独立条件を課すことが代替的に分かる(なぜならば、''n'' 個の基底ベクトルが存在し、それらは線型独立であるからである)。したがって、双対空間の次元は ''n'' であることにより、その双対集合の各元は一意的に定められる。 ある ''n'' 次元ベクトル空間 ''V'' 上の双対ベクトルの作用については、''V'' の元を ''n''×1 の列ベクトルと見なし、双対空間 ''V'' * の元を 左による線型汎関数として作用する 1×''n'' の行ベクトルと見なすことで分かる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「双対基底」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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