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反芸術[はんげいじゅつ] 反芸術(はんげいじゅつ、Anti-art)は芸術作品に対する定義で、伝統的な展覧会の文脈の中で展示されながら、真剣な芸術をあざ笑うかのような内容を持つ作品、また芸術というものの本質を問い直し変質させてしまうような作品のこと。さらに既存の芸術という枠組みを逸脱するような芸術思想や芸術運動のこと。 ダダイスムによるオブジェや自動筆記による文学、ナンセンス詩など、挑発的な芸術形態が「反芸術」と呼ばれたが、芸術の枠がある限り、反芸術はいつでもどこでも出現する可能性がある。また20世紀美術の歴史は、反芸術が芸術の範囲を押し広げた結果ともいえる。 ==ダダイスム== 反芸術は、第一次世界大戦中からはじまったダダイスムにその端を発する。反芸術的な作品の、初期にしてもっとも有名な例は、ダダイストのマルセル・デュシャンが1917年にニューヨークの無審査公募展・「アンデパンダン展」にリチャード・マット名義で出展した『泉』である。この作品はただの既製品の男性用小便器を寝かせたもので当時の観念から見ればどう見ても芸術品とも作品とも呼べるものではなく、無審査展のため仕方なく受け付けられたものの会場に展示されることなく紛失するが、この処置に抗議したデュシャンはアンデパンダン展委員を辞任し、新聞にリチャード・マットの作品を弁護しその意義を訴える文章を発表し大論争を起こした。この事件の例のように、ダダイスムの活動は美術や文学など既存の芸術をはみ出すもので、結果、芸術の概念を非常に大きく広げることとなった。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「反芸術」の詳細全文を読む
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