|
初等幾何学における反転幾何学(はんてんきかがく、)は、平面幾何学において反転 と呼ばれる種類の変換を一般化したものに関して保たれる図形の性質について研究する。 平面上の反転変換は、角を保ち(等角性)、一般化された円を一般化された円に写す(「円円対応」)ような写像になっている。ここで「一般化された円」というのは、円または(無限遠点を中心とする半径無限大の円と見做される)直線のいずれかであることを意味する。初等幾何学における難しい問題が、反転を施すと扱いやすくなるというようなことも少なくない。 このような平面上の反転の概念を、より高次元の場合に一般化することができる。 == 円に関する反転 == === 点の反転 === File:Inversion illustration1.png|点 ''P'' は点 ''P'' を赤い円に関して反転した点である。 File:Inversion illustration2.png|点 ''O'' を通る円(青)の、赤い円に関する反転は、点 ''O'' を通らない直線(緑)になる。逆もまた然り。 File:Inversion illustration3.png|点 ''O'' を通らない円(青)の、赤い円に関する反転は、点 ''O'' を通らない円(緑)になり、逆もまた然り。 File:Inversion in circle 2.png|円 ''O'' の外側にある点 ''P'' の、反転点 ''P'' の作図方法。円 ''O'' の半径を ''r'' として、直角三角形 ''OPN'', ''OPN'' は相似ゆえ、''OP'' : ''r'' は ''r'' : ''OP'' に等しい。 File:Inversion.gif|円に関する反転では、円の中心が写る先の円の中心へ写るわけではない。 平面において、中心 ''O'', 半径 ''r'' の基準円 に関して点 ''P'' を反転すると、''O'' を始点として ''P'' を通る半直線上で : を満たす点 ''P'' に写る。反転変換によって ''O'' と異なる各点 ''P'' がその像 ''P'' へ写るとき、それと同時に点 ''P'' は ''P'' に写される。故に、同じ反転変換を二度続けて施した結果として得られる変換は、''O'' を除く平面上の点全体の成す集合上では恒等変換になる。反転変換を対合とするためには、平面上の全ての直線上に載っている唯一の点として無限遠点を導入し、反転の定義域を拡張して、基準円の中心 ''O'' と無限遠点とが入れ替わるようにしなければならない。 定義から従うことに、基準円の内側にある各点は基準円の外側へ、外側の各点は内側へそれぞれ写り、中心と無限遠点とが入れ替わる一方、基準円の周上にある各点は何ら影響も受けない。端的に言えば、円の中心に近ければ近いほど反転変換で遠くに写り、遠ければ遠いほど近くへ写るということである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「反転幾何学」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Inversive geometry 」があります。 スポンサード リンク
|