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取引所[とりひきじょ]
取引所(とりひきじょ)は、一般に商品や証券の需要と供給を一定の場所に集約することにより取引成立の機会を多くし、一物一価の価格形成が行われるようにする物的施設である。 == 機能 == 学問的には、通常、取引所とは、株式、公社債、大量に生産される米、麦などの同じ種類の商品であれば、他の物と替え得る性質である代替性商品を取引する特別の市場であると定義されている。そのため、土地100坪や美術品など代替性商品とはならない商品は、交換が不可能なため取引所への上場商品には適さない〔取引所の常識(千倉書房昭和15年10月30日発行)〕。 従来、取引所とは、会員がある決められた立会時間に証券や商品を取り引きするために設立した会員組織の法人を指していた。そして、原則として会員の自主運営に任され、日常業務に関する意思決定は理事などの取引所の役員が担当していた。また、日本における戦時中までの制度については、明治7年の株式取引条例では、取引所の組織は株式会社と規定され、最初に設立した株式取引所が株式組織取引所であった。明治20年5月、会員組織化を目的とする取引所条例が発布され、これをブルース条例といい、取引所は凡て会員組織で経営しなければいけないと定めたが、ブルース条例は、取引所側の猛烈な反対により間もなく廃止され、明治26年に会員組織でも株式組織でもよいとする取引所法が発布された。しかし、それまでの、業法及び主務省が一本化されていたが、(所管が昭和16年末に商工省から大蔵省移管)のに対して戦後の日本の取引所の再開は、業法及び主務省が分離され証券取引法及び商品取引所法(所管が証券取引法が大蔵省、商品取引所法については昭和25年2月27日の閣議決定で大蔵省から農林省と通商産業省に移管)による会員組織の法人としてスタートした。しかし1990年代後半から証券市場の国際化によって国際的な市場間競争が激化し、国際的地位の確保と競争力強化を図るため、証券取引所では株式会社化・非会員組織化を柱とする組織の改革が次々と行われた。なお政府も市場の公正性を確保するなどの目的で取引所を監督している。 会員組織であろうと株式会社であろうと、取引所の基本的機能は、取引参加者に取り引きの場所を提供することである。その他にも、取引関係などの調査、統計資料の収集、価格情報の公表、取引の規約や基準の決定などを行う。取引所は、おもに会員権や取引資格の売却収入と、取引所の経費を賄うために会員や取引参加者から徴収される会費や取引参加者負担金で運営される。 取引所の活動は世界中ほぼ同一であるため、取引所の建物の構造もたいへんよく似ている。かつてはどの取引所にも会員(場内立会人)が取引を執行するピットやフロアとよばれる立会場、取引価格や出来高を表示する目につきやすい掲示板などがあった。しかし1990年代後半からは取引所のシステム化が急速に進行し、立会場は縮小または廃止される方向に流れた。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「取引所」の詳細全文を読む
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