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輪扁 輪扁(りんへん)は、『荘子』外篇の天運篇の最後に登場する「寓言」中の人物〔莊子/天道:桓公讀書於堂上,輪扁斲輪於堂下,釋椎鑿而上,問桓公曰:「敢問:公之所讀者何言邪?」公曰:「聖人之言也。」曰:「聖人在乎?」公曰:「已死矣。」曰:「然則君之所讀者,古人之糟魄已夫!」桓公曰:「寡人讀書,輪人安得議乎?有說則可,無說則死。」輪扁曰:「臣也以臣之事觀之。斲輪,徐則甘而不固,疾則苦而不入,不徐不疾,得之於手而應於心,口不能言,有數存焉於其間。臣不能以喻臣之子,臣之子亦不能受之於臣,是以行年七十而老斲輪。古之人與其不可傳也死矣,然則君之所讀者,古人之糟魄已夫!」〕。輪扁とは、「車大工の扁」を意味し、「扁」が名である〔 Google Books 〕。 ==『荘子』の記述 == 輪扁は、斉の桓公(在位:前685年 - 前643年)が読書をしているところに居合わせ、問答をする。車輪づくりに長じていた輪扁は、実践と感性の重要性をわきまえ、言葉だけでは伝授できない技術があることを知っていた。このことを踏まえて、桓公に対して、「聖人之言」を読んでも昔の人の魂のかす(古人糟魄)しか得られない、自分も車輪を削る加減のコツは言葉では伝えられない、と述べたとされる〔〔 Google Books 〕。そこから、言葉や文字で伝えることの難しさ〔、あるいは、書き残された知識は得られたとしても、そこに尽くされていない肝心な神髄は理解することができないことを意味する比喩として言及される話となった。 『荘子』中のこの話は、著者が述べたいことを作中の人物の口から語らせて、読み手を納得させようとするものであり、故事を借りて道理を説くというものではない。つまりこの輪扁が語った話は、作者である荘子の言いたいことである。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「輪扁」の詳細全文を読む
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