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古墨(こぼく)とは、文房四宝における墨の中で、製造されてから長い年月を経ているものをいい、品質の良い墨とされている。通常、唐墨は清時代までに、和墨は江戸時代までにつくられたものを古墨と称す。ただし、今ではほとんど入手不可能であり、100年以上前の墨は古渡りものにたよる以外ない〔森紀一 P.37〕。 == 概説 == 諸説あるが、墨は出来たてでは粘り気があり、墨色も冴えないという。だいたいの目安としては、20年から100年にかけてが最もよい墨色を見せる。また、古墨の条件としては、よい原料とよい製法を用いていることが前提である。よって、いくら年月を経ても、原料が粗悪なものであったり、製法に手抜きがあれば、古墨とは呼べない。 明清時代が製墨の頂点といわれ、以後、カーボンブラックが使用されるなど品質の悪化をたどった。特に1966年の文化大革命の後、品質が変化したといわれ〔文革後の品質の変化を検証するため、天来書院が代表的な唐墨を使って滲みと墨色を比較した。文革前の鉄斎翁書画宝墨(てっさいおうしょがほうぼく、油煙墨)と文革後のそれでは、文革後の品質が著しく悪く、黄山松煙(こうざんしょうえん、松煙墨)の文革前と後ではあまり差が認められなかったという。(筆墨硯紙事典 P.13)〕、また、文革によって新しい名前の墨ができ、古いなじみの墨が少なくなった〔森紀一 付記(墨)〕。 ; 主な特長 * 墨色が美しい。 * 筆が暢びて書き良い。 * 筆の通過した跡と滲み(淡い色)との差が、乾くと明瞭になる。 ; 古墨の例〔森紀一 P.38 - 39〕〔書の技法指南 P.78〕〔筆墨硯紙事典 P.12〕 * 乾隆御墨(文遡閣詩) * 乾隆御墨(彩墨) * 敬勝斉蔵墨 * 胡開文 * 龍鳳呈祥(程君房製) * 百子図(程君房製) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「古墨」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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