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古河虎之助 : ウィキペディア日本語版
古河虎之助[ふるかわ とらのすけ]

古河 虎之助(ふるかわ とらのすけ、明治20年(1887年1月1日 - 昭和15年(1940年3月30日)は、日本の実業家古河財閥創業者古河市兵衛の実子で、3代目当主。爵位は男爵。位階勲等は正四位勲三等瑞宝章紺綬褒章受章。風可。古河財閥を多角化させ、総合財閥に発展させた。
== 経歴 ==
東京府出身。古河市兵衛の晩年の子である。母は柳橋芸妓・小清〔長谷川時雨〕。
幼少より慶應義塾に学び、小幡篤次郎の薫陶を受ける。明治36年(1903年)に慶應義塾普通部を卒業し、ニューヨークコロンビア大学に留学。明治38年(1905年)1月に義兄である潤吉養子となるが、同年12月に潤吉が36歳の若さで病没したため、若くして古河財閥の3代目当主となった。間もなく、副社長として病床の潤吉を支えてきた原敬内務大臣就任のため古河鉱業を辞任。市兵衛の片腕だった木村長七が虎之助の後見人となって実際の経営を取り仕切った。明治40年(1907年)親戚で古河鉱業社員の中島久万吉と共に欧米を遊学の後に帰国。この中島久万吉が後の古河家を支えていく。大正4年(1915年)12月1日、経済発展に尽力した実父市兵衛の勲功により男爵に叙爵された〔『官報』第1001号、大正4年12月2日。〕。
虎之助が財閥を相続した当時、経営基盤は依然として足尾銅山が産出するであった。鉱毒問題に対しては、古河鉱業も鉱毒予防令に従い対策工事を実施していたものの、同社への非難の声はなお根強かった。1906年古河鉱業社長に就任して間もない虎之助は社会的な非難を緩和すべく、原敬の助言に従い資金難で設置が危ぶまれていた東北帝国大学九州帝国大学の校舎建設費用の寄付を申し入れた。寄付金の総額は1907年度から5年間で106万円に達した。この資金で建てられた校舎のうち1棟が、現在も北海道大学構内に古河記念講堂として残されている。また、第10期より母校の慶應義塾評議員に当選し、以来長きに渡り支援に務めた。
1914年第一次世界大戦が勃発すると、銅の特需に後押しされた古河財閥は経営の多角化を推し進めた。1918年までには、持株会社の古河合名会社が直轄する鉱業(古河鉱業)・金融(古河銀行)・商社(古河商事)を中心として、横浜ゴム旭電化富士電機東亜ペイント大日電線帝国生命富士通信機日本アルミ古河鋅造古河電池日本軽金属日本特殊軽合金などを傘下に抱く20社以上の企業を束ねる一大コンツェルンに拡張させた。しかし1920年の戦後恐慌による価格の暴落や投機取引の失敗により経営が失速。金融恐慌の影響を古河銀行が大きく受けたため、同行頭取・虎之助は銀行経営に専念するため、古河鉱業社長と古河合名代表社員の職を吉村万治郎に讓った。1921年に古河商事が破綻、1931年には古河銀行を第一銀行に譲渡するに至り、総合財閥として欠かせない商社金融の機能を喪失した。
一方、社長在任中には満州事変など戦争体制の進展するなかで重化学工業部門に重点を置いて規模拡大を図り、古河電気工業1920年合併)や富士電機製造1923年設立)、富士通信機製造1935年設立)、など、後に親会社の古河鉱業を上回る大企業となった会社が複数誕生している。軍需の拡大した1930年代は鉱業部門に代わってこれらの工業部門が業績を伸ばし、古河財閥は再び急成長していった。
満州事変以後、日本救世軍、太平洋問題調査会、南満州鉄道創立委員、東亜経済懇談会等に参加。修養団が発足すると、頭山満徳富猪一郎らと共に顧問となる。更に国本社系の興国同志会が発足すると、上杉慎吉と共に財界代表としてバックアップに務めた。
日中戦争となり、第二次世界大戦に突入すると、虎之助は昭和15年に死去し、養子の古河従純西郷従徳侯爵の二男)が家督をついで総帥となったが、敗戦後の占領開始後、従純は公職を追放(公職追放)され古河財閥は財閥解体を命ぜられた。
虎之助が大正6年(1917年)から大正15年(1926年)まで暮らした邸宅は、現在は都立旧古河庭園として公開されている。歌舞伎役者が隣りに並びたがらない程の絶世の美男だった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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