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只見特定地域総合開発計画 : ウィキペディア日本語版 | 只見特定地域総合開発計画[ただみとくていちいきそうごうかいはつけいかく]
只見特定地域総合開発計画(ただみとくていちいきそうごうかいはつけいかく)とは、1950年(昭和25年)に施行された国土総合開発法に基づき日本政府が定めた地域開発計画の一つである。 福島県と新潟県にまたがって流れる阿賀野川水系最大の支流・只見川を中心に阿賀野川下流に至るまで大小さまざまな水力発電所とダムを建設し、発生した電力を関東地方と東北地方に供給する目的で計画された大規模な河川開発である。この計画の中には奥只見ダムや田子倉ダム(たごくらダム)といった日本のダムの歴史に名を刻む大事業が含まれ、日本の電気事業史や日本の土木史においても特筆される事業である。 == 地理 ==
只見川は、阿賀野川水系における最大の支流である。群馬県・新潟県・福島県の三県にまたがる尾瀬国立公園の一つ、尾瀬沼がその水源であり、湿原の水を集めながら三条の滝を経て北へ流路を取り、深いV字谷を形成しながら南会津郡只見町の中心部付近で東から流れる伊南川(いながわ)を合わせる。「会津のマッターホルン」とよばれる蒲生岳を過ぎると次第に向きを北東に変え、大沼郡金山町で野尻川を合わせた後沼沢湖の横を流れ、大沼郡三島町、河沼郡柳津町・会津坂下町を過ぎた後に喜多方市高郷町付近で阿賀野川に合流する。流路延長146.0キロメートル、流域面積2,800平方キロメートルの河川である。 只見川は流域の大半が山地で占められ、平地はごくわずかである。特に上流部は三国山脈の険しい山岳地帯で人跡未踏の地も多い。加えて年間雨量は2,500から3,000ミリに達する多雨地帯であり、しかも冬季は豪雪地帯で春季の融雪と夏季の多雨によって水量は極めて豊富で、会津坂下町片門におけるピーク時の基本高水流量は毎秒9,000立方メートルにも及ぶ。加えて源流から阿賀野川合流点までの落差が1,500メートル近くもある。 こうした自然条件は、急流・豊富な水量・高落差という水力発電の好条件を全て備えており、只見川は水力発電には日本で最も有望な地点の一つとして古くは明治時代から電力会社にとっては垂涎(すいぜん)の的であった。現在とは違い当時は日本各地におびただしい数の電力会社が存在しており、経営拡大のため激烈なシェア争いを演じていた。只見川の開発を成功させることは、他の電力会社に対し一頭地を抜く存在になり得ること明らかで、いわば電力会社にとって只見川は「宝の山」的な存在であった。しかし険しい山岳地帯と厳しい気象条件がこれを阻み、本格的な開発にはなかなか乗り出すことができなかった。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「只見特定地域総合開発計画」の詳細全文を読む
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