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数学において、ある種の偏微分方程式系は、内在する幾何学的ないし代数的構造の観点から微分形式の言葉で定式化される。動機は、微分形式を用いて部分多様体を制限する手法を適用し、この制限手法と外微分が整合する事実を活用することにある。この定式化は、例えばある種の(over-determined system)に対するアプローチの候補となる。パフィアン系(Pfaffian system)は 1-形式によって指定される一方で、この理論は他のタイプの微分方程式系(differential system)も対象として含む。 ''n''-次元多様体 ''M'' 上で微分可能な 1-形式 α''i'' (''i''=1,2, ..., ''k'') が与えられた時、積分可能多様体(integral manifold)とは、部分多様体 ''N'' であって、全ての点 ''p'' ∈ ''N'' における接空間が各々の α''i'' により消去されるものをいう。 最大積分可能多様体(maximal integral manifold)は部分多様体 : であり、形式 : 上への制限写像の核(kernel)が ''N'' の全ての点 ''p'' で α''i'' ではられるような部分多様体である。加えて、 α''i'' が線型独立であれば、''N'' は (''n'' − ''k'')-次元である。''i'': ''N'' ⊂ ''M'' は埋め込まれた多様体である必要はないことに注意する。 パフィアン系は、''N'' が最大積分可能多様体により(foliation)を持つときに、完全可積分(completely integrable)と言われる。(葉層構造は、必ずしも正規(regular)である必要はない、つまり、葉層構造の葉は部分多様体に埋め込まれていなくともよい。) 可積分条件(integrability condition)は、α''i'' 上の条件で十分に大きな次元で積分可能な部分多様体が存在することを保証する条件を言う。 ==必要十分条件== パフィアン系が完全可積分(complete integrability)であるための必要十分条件は、(Frobenius theorem)により与えられる。フロベニウスの定理の一つのバージョンは、イデアル が代数的に環 Ω(''M'') 内の α''i'' により生成されるとすると、言い換えると : とすると、系は最大積分可能多様体により(foliation)を持つ。(逆は定義より明らかである。)
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