|
==熱力学的な意味== ある系の状態が、別の状態に変化するとき、熱と仕事の出入りを逆にして、同じ経路を逆にたどって元の状態に戻ることができることを可逆(Reversible)といい、この過程を可逆過程(Reversible process)という。このとき、系と熱および仕事のやりとりをした周囲には何の変化も残らない. 可逆過程であるためには、変化の途中において、系内および系と周囲との間で熱平衡、力学的平衡、化学的平衡が保たれていることが必要であり、このような理想化した状態変化を準静的過程と言う。可逆過程は常に準静的だが、準静的過程であっても可逆でないものは存在する.〔Sears, F.W. and Salinger, G.L. (1986), ''Thermodynamics, Kinetic Theory, and Statistical Thermodynamics'', 3rd edition (Addison-Wesley.)〕。たとえばピストンとシリンダーの間に摩擦が存在する状況下で気体を準静的に圧縮する過程は準静的だが可逆ではない〔Giancoli, D.C. (2000), ''Physics for Scientists and Engineers (with Modern Physics)'', 3rd edition (Prentice-Hall.)〕。 他の形のエネルギーが摩擦や抵抗により熱エネルギーに変わる現象は、常に非可逆となる.ただし文献によって用語の混乱があり、可逆過程と準静的過程を同義に使う文献〔Lavenda, B.H. (1978), Thermodynamics of Irreversible Processes, Halsted〕もある。 熱力学第二法則によれば、任意のサイクルでCausius積分 は負の値となるが、 可逆過程のみで構成されたサイクル(可逆サイクル)では 0 となる. これより、状態Aから状態Bへ変化する過程でのエントロピーの変化は、 (等号は可逆過程に対応) となる. 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「可逆」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|