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史学史 : ウィキペディア日本語版
史学史[しがくし]

史学史(しがくし、、;)とは、歴史学研究史である。具体的には、歴史事実研究に関する歴史意識と学説の歴史、また、歴史観の変遷に関する歴史のことである。
== 必要性と前史 ==

=== 定義とその必要性 ===
史学史は、狭義には近代に成立した歴史学の学説史のことを指すが、近代歴史学以前にも歴史記述を対象とし、歴史事実や歴史意識、歴史観などを記述する学問的営みが行われていた。また、それらを記述するに当たっては様々な方法論が用いられ、その方法論は近代歴史学の研究方法に大きく影響をおよぼしている。同時に、近代歴史学自体が近代以前の歴史記述を主要な研究対象としているため、事実把握において、それらの歴史記述の客観性を検討(史料批判)しなければならず、したがって、史料がどのような方法論にもとづいて記述されているかは主要な関心となる。ここに、広義の意味での史学史、すなわち、歴史記述や歴史意識、歴史観の変遷の歴史も歴史学の対象として成立する〔イブン・ハルドゥーンは、歴史学的な記述と、単なる出来事の報告や物語を分けるのは、広く承認されているかどうかと記述の方法論によると述べている。そして、歴史学的記述が広く承認されるかどうかは、その記述の方法論が妥当であるかどうか、批判することが可能であるかどうかによるという。すなわち、彼によれば、歴史学的記述の信頼性はそこに記載された事実の信憑性ではなく、方法論の信頼性によるのである。彼は事実の信憑性についていえば、一流の歴史家の著述であっても疑わしい部分はあるが、それはその記述の歴史学的価値にとって決定的ではないという。(文献1:pp.19-33)
バラクルーの「われわれが読んでいる歴史は、確かに事実に基づいているけれども、厳密にいうと、決して事実ではなく、むしろ広く認められているいくつかの判断である」(文献2:pp.13-14)という言葉、E・H・カーの「歴史的事実という地位は解釈の問題に依存することになるでしょう」、「私たちが歴史を読みます場合、私たちの最初の関心事は、この書物が含んでいる事実ではなく、この書物を書いた歴史家であるべきです」(文献2:p.27)という言葉も同様の内容を言い換えたものである。
つまり、記述された歴史(史料)は常に記述主体(記述者・報告者・著述家・歴史家など)の取捨選択を含んでいる。ところで、過去の事実が記述という形でしか客観化されない以上、史料の示す以上の過去の事実は知ることができない。したがって、どのような取捨選択がその史料を記述する上でおこなわれているかという観点は史料を扱う際にはつねに想起されなければならない。(文献7:pp.26-38、文献17:pp.126-127)
また、歴史家がどのような立場に立って自分が歴史を記述しているかを自覚することなしに歴史を記述しようとすれば、首尾一貫性のない歴史記述をしてしまったり、客観的に記述しているつもりでじつは主観的な記述をしてしまったりすることにつながる。したがって、歴史家は自分の主観性をむしろ積極的に意識し、その方法論の特徴と限界性を明瞭に認識した上で記述することでかえって客観的な歴史事実に近づくことができるのである。(文献7:pp.182-196)
すなわち、歴史研究は最終的には歴史を叙述する営みであり、そのために歴史家は単なる実証的な史料批判にとどまるのではなくて、史料を取捨選択し、一つの方法論にもとづいて新たな歴史を叙述することを求められるのである。歴史家は最終的には何らかの方法論を設定して、それにしたがって記述するのであるから、方法論の歴史を振り返り、自らの方法論について検討を加えることを怠ってはならない。(文献14:pp.163-171)〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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