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合同算術 : ウィキペディア日本語版
合同算術[ごうどうさんじゅつ]

数学、特に初等代数的整数論における合同算術(ごうどうさんじゅつ、; モジュラ計算)は、(剰余を持つ除法の意味で))自然数あるいは整数をある特定の自然数で割ったときの剰余に注目して、自然数あるいは整数に関する問題を解決する一連の方法の総称である。合同算術の起源は、一般にはガウスが著作『Disquisitiones Arithmeticae』を出版する1801年にまで遡れるものとされる。ガウスによる合同式(ごうどうしき、)を用いたこの新しい手法は、有名な平方剰余の相互法則を明らかにし、より抽象的な観点からウィルソンの定理などの定理の記述の簡素化に一役を買った〔ガウスは、合同式の記号について、「この計算式を身につけた人ならまったく天才でさえ途方に暮れるようなこみ入った場合にも機械的に問題が解ける」と述べている。〕。ガウスの研究は自然数を扱う整数論のみならず、代数学や幾何学といった数学のほかの主要な分野にまで影響を与えるものであった。
この手法の基本は、「数それ自体」ではなくそれを別な数で割った(商がいくらになるかということは無視して)「剰余だけ」を考えるということにある。こういった考え方は何か特殊で高尚なものというようなものではなく、実際に日常生活においても時刻や角度といったものの計算や単位の換算などで、ちょっとした合同算術が特別な知識無くあるいは無意識に行われているのである。
20世紀には、合同算術にまつわる状況は大きく様変わりをしている。計算機ウェブの普及に伴って情報セキュリティの観点からの暗号化アルゴリズムの開発や取り扱いといったような場面で古典的な合同算術に関する理論の工業的・商業的応用が頻繁に見られるようになった。


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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