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吉良吉影 : ウィキペディア日本語版
吉良吉影[きら よしかげ]

吉良 吉影(きら よしかげ)は、荒木飛呂彦漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』のPart4『ダイヤモンドは砕けない』に登場する架空の人物。短編集『死刑執行中脱獄進行中』に収録されている外伝的作品『デッドマンズQ』の主人公でもある。また、『ジョジョの奇妙な冒険』のPart8『ジョジョリオン』では同姓同名の人物が登場している。
ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」以降のゲームでの声優小山力也
== 人物 ==

=== Part4『ダイヤモンドは砕けない』 ===
1966年1月30日生まれ。A型
身長175cm。体重65kg
表向きは平凡なサラリーマンとして生活しているが、その正体は生まれながらにして「人を殺さずにはいられない」性(さが)を持ち、手の綺麗な女性を1983年(16歳から17歳頃)以降48人も殺してきた連続殺人鬼(ただし、実際に人を初めて殺した時は半ば偶然の結果である)。最初の一人である杉本鈴美以外の女性は死体を自身のスタンド「キラークイーン」により消滅させてきたため、行方不明扱いになることはあっても殺人事件としては扱われていない。女性の綺麗な手に異常な執着を示す性的嗜好の持ち主で、彼が初めてその性癖に気付いたのは、子供のころ見たモナリザの絵に描かれてあるモナリザの手を見たことによる。
平穏な生活」「植物の心のような生活」「安心した生活」といった「平穏無事に生きること」を信条としており、この世で最も嫌いなものは「争い」。但しこれは「平穏な生活を目指す自分にとって、争いはストレスや面倒事の種でしかない」という自己本位の考えによるものであり、純粋な平和主義から来る考えではない。実際のところプライドは傲慢とも言えるほどに高く、内心では自分以外のすべての人間を見下しており、「もし戦ったとしても誰にも負けないという確固たる自信」はあるが、本来持っている高い能力を隠すことで、目立たず嫉まれず、そして馬鹿にされることも無い地位や立場をずっと貫いている。隠すことについては極度に徹底しており、幼少の頃から自宅に置かれたトロフィーや賞状がすべて3位のものであったり(何も取らないのは自身のプライドが許さず、かといって1位や2位になるのは目立ちすぎるため)、自分が「何を得意とするのか」を他者に特定させないため、様々な分野の賞を意図的に取るなどしている(作者の荒木飛呂彦曰く、どれでも1位を取る実力はあるとのこと)。一方で、自分の殺人癖などを知った人間は例外なく「影で」抹殺してきた。
殺害した女性の手を密かに持ち歩いて、その手に話しかけたり食べ物を持たせたりといった常軌を逸した行動を取る。臭いがきつくなってきたなどのタイミングで、持ち歩いている手とは「手を切り」、新たなターゲットの女性を選んで殺し、再びその手を持ち歩くといった生活を送る。爪の伸びが早い時期には殺人衝動を抑えることができなくなり、切った爪の長さを計測し記録、保存する趣味がある。殺人欲求が強く高まったときには、伸びる様子が目に見えるほどの速さで音を立てて爪が伸びる。また、絶望した時は血が出るほど爪をかむ癖がある。
特徴のない影の薄い男として周囲からは認識されており、上から目をかけられず出世コースからも外されているが、当人は「出世しても気苦労が増える」として気に留めていない。与えられた仕事に関しては先述の高い能力によりミスなくそつなくこなすが、必要以上に能力を発揮することはしない。あくせくと働くこともせず、収入に関してはそれなりの線で満足している。エリート的な雰囲気と端正な顔立ちのため、多くの女性から好意を持たれているが、女性からの誘いを平気で断ることも多く、デート中も退屈だとしか思っていない。また、几帳面で神経質な面があり、確実に殺せる状態に追い込んだ康一の靴下が裏返しになっているのを見て、殺そうとする前にわざわざそれを脱がせて履き直させていた。
上記の性格・信念などから他人の前で目立つ行動をすることを極端に嫌っており、康一のスタンド攻撃によって目立ってしまいチンピラに絡まれたことに極度の怒りを覚え、腹いせとして康一を執拗なまでにいたぶった。その一方で自身のファッションにはこだわりを見せていたようで、ヴァレンティノのスーツ(承太郎曰く「スカした高級ブランド」であり、目立つ服)や猫のドクロをあしらったネクタイを好み、身に着けていた。他にも彼女の「手」にオブレイの腕時計を買ってやっているなど、お洒落に関しては人並み以上に気を使っており、そのための出費は厭わない。結果的にそのこだわりが唯一の隙となり、承太郎に追跡を許してしまっている。
殺した女性の手を持ち歩いており、それを偶然「重ちー」こと矢安宮重清に目撃され、人生初の他スタンド使いとの闘いになり、彼を爆殺。これによって重清の友人の東方仗助らに追われることとなり、自身のスタンド能力で直接彼らを抹殺しようと試みるが失敗し、「シアーハートアタック」が宿る左手を切り離して逃亡、瀕死の重傷を負う。顔を入れ替えるスタンド能力を持つエステティシャンの辻彩を脅迫して、逃亡の最中で捕まえた年頃・体格がほぼ同じ男「川尻浩作」の顔・指紋を自らと入れ替えさせた後、辻彩を爆殺。そのまま行方をくらまし、川尻浩作として生きることになり、彼の生活や筆跡を真似るなどして苦心しながら、川尻家の中に溶け込み暮らすようになる。
しかし、川尻浩作に成り代わって数日が経ってから、元の浩作の息子早人に不審感を抱かれ、自分が入れ替わっていることを感付かれる。通勤電車で居合わせた態度の悪いカップルを衝動的に爆殺、その瞬間を尾行していた早人にビデオ録画される。後にその事実を知ると、逆上して咄嗟に彼を殺してしまう。早人の殺害は、同じ時期に川尻家のことを調べ始めた岸辺露伴の疑いを強めることが確実であった。取り返しのつかない状況に絶望していたその時、ひとりでに動き出した「矢」に再び貫かれたことで、キラークイーン第三の爆弾「バイツァ・ダスト」が覚醒し、時間を爆破して巻き戻すことができるようになった。
早人を殺害した事実を消し去った吉良は、その能力で仗助ら一行をほぼ全滅まで追い込む。だが、その“運命”そのものを味方にしたような凶悪な新能力を、“偶然”に賭けた早人の挑戦で破られ、自身のスタンド能力の最大の天敵・東方仗助と対峙、朝の出勤ラッシュ後の人気の消えた、閑静な住宅街で最終決戦を行うことになる。
激闘の末、驕りで犯したミスにより追い詰められたところ、救急隊員の女性を媒体に再度バイツァ・ダストを発動しようとするが、康一のエコーズACT3によりキラークイーンの手を動かせなくなり、その隙に承太郎のスタープラチナのラッシュで指を粉砕骨折されて爆弾起爆スイッチを押せなくなった直後、救急車の後輪に顔を轢かれて交通事故死してしまう(「スタープラチナ・ザ・ワールド」により時が止まった状態で吹き飛ばされたため、バックしていた救急車の隊員達が吉良に気づくのに遅れたことが原因)。この際に地面とタイヤにはさまれて顔の皮膚が剥ぎ取られてしまい、直前に自ら吉良と名乗っていたことと、歯型までは入れ替えていなかったことから、死体の歯形の照合によって、事故死した死体は吉良吉影として処理され、成り代わっていた「川尻浩作」は行方不明として後に処理された。
その後、「自分の父を殺したアイツは事故死でなく誰かが裁いてほしかった」と呟いた早人の願いに応えるかのように、死者の魂の通り道である「ふり向いてはいけない小道」に迷い込んだところを、幽霊となった杉本鈴美とその愛犬アーノルドの奇策によって振り向かされ、小道に宿る未知の力によって、スタンドもろとも「安心なんて無いところ」へ引きずりこまれていった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「吉良吉影」の詳細全文を読む



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