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吊り手 : ウィキペディア日本語版
つり革[つりかわ]

つり革吊革、つりかわ)とは、電車バスなどの乗り物で、立っている乗客が体を支える目的で握るために、上から吊るされている道具をいう。古くは革製のものもあったが、現在はポリ塩化ビニル被覆のキャンバスナイロンストラップと、プラスチックの握りの組み合わせが主流である。吊手ともいう。
地下鉄車両では、暗闇での避難時の火傷を防ぐため、火炎にさらされても滴下しない材質が選ばれている。
== 握り部の形状による分類 ==

* 環状
 * 丸型
 * 三角型(通称、おにぎり型)
 * 五角型(通称、ホームベース型)
* 球形
丸形は握りが列車の進行方向と平行に設置されることが多いのに対し、三角型は垂直に設置されることが多い。個体の形状にもよるが、総じて丸型よりも三角型の方が握りやすい。三角型は家庭用アイロンの握り手をヒントに開発され、昭和8年頃の大阪地下鉄ではすでに採用されていた。後に丸形型が主流になったが、1970年代中期以降に東京圏・大阪圏の国電で比較的多く採用された。この時のものは列車の進行方向と平行に設置され、握りの部分が湾曲しているなどの工夫が見られたが、握りと広告スペースのスリーブが一体成型となっており、首振りの自由度が低く、乗客の疲労度は大きい。人間工学的見地から、1982年以降の新造車では再び丸型に戻されている。
三角型は帝都高速度交通営団(営団地下鉄)→東京地下鉄(東京メトロ)でも、1980年代以降の新造車に多く用いられているが、こちらは人の腕の動きに合致した、進行方向に対し垂直(枕木方向)の配置であった。もとより、東京メトロ車両は東京地下鉄道としての開業時から垂直配置である(下記のリコ式を参照)。
1990年代以降はJRを含む他の事業者で再び三角型の割合が増えてきている。ただ、丸形は輪を回転させることで直前の利用者が握った場所を避けられる、手首を穴に通して少々寛げるなどという理由で、丸形を好む利用者も少なくない。
球形の握りは日本では見かけないが、ロンドン香港などで採用されていた例がある。しっかり握るには、十分な握力が必要である。
珍しい部類として、舞浜リゾートライン香港MTR(港鉄)の迪士尼線(ディズニーランドリゾート線)では、ミッキーマウスを模した丸いが左右に付いた握りが、また、西武鉄道30000系では、卵形の独自の握りが採用されている。
伊豆箱根鉄道などでは、全車両につき1本などのごくわずかなつり革の持ち手をハート型にしたものが用いられている。西武鉄道では、社員による観光案内チーム「西武鉄道♡恋まち」により、「幸せをつかむハートリング」と名付けられている〔。どの車両に用いられるかは多くは公表されておらず、希少であることから「見つけるとハッピーになる」「一緒に握ったカップルは幸せになる」〔といった恋愛成就のラッキーアイテムとされ、乗客の口コミによる集客を狙って設置されている〔。また、JR東日本叡山電鉄などでも、バレンタインデー前後の期間限定企画としてハートのつり革が設置された〔。もともとは2011年に伊豆箱根鉄道駿豆線で運輸課社員の企画により始められたもので、その後京王電鉄など全国の鉄道会社に同様の企画が派生した〔。駿豆線のハートのつり革は2014年のテレビドラマ『ごめんね青春!』(第4話)にも登場している。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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