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同病療法 : ウィキペディア日本語版
ホメオパシー

ホメオパシー (漢字表記では同質療法〔ブリタニカ百科事典【ホメオパシー】〕、同種療法〔、 、、 homœopathy) とは、「その病気症状を起こしうる薬(やもの)を使って、その病気や症状を治すことができる」とする18世紀末から19世紀初期にかけて(1755-1843)が唱えた臨床医学観である〔。ホメオパチーとも。
== 概要 ==
;療法体系
ハーネマンが行った治療体系は日本語では「ホメオパシー」とも呼ばれるほか、「ホメオパシー療法」とも言われる〔ブリタニカ百科事典【ホメオパシー療法】〕。これは、臨床医学観と療法体系を一応区別して呼び分けることも行われている、ということである。
この療法は、欧米の医学界では公的な承認を受けたことのない、いわば「異端の医学」であるのだが〔、人々の間で根強い人気があり〔、イギリス王室の人々もこの療法を受けたこともある〔。先進諸国では現代医学に対して懐疑的な層が利用しており、一方後進国では貧困層を中心に十分な科学・医学知識および医療機会が無い層が利用している。
ホメオパシーの理論は、ドイツの医師ハーネマンが確立した。「健康な人間に与えたら似た症状をひき起こすであろう物質を、その症状を持つ患者に極く僅か与えることにより、体の抵抗力を引き出し症状を軽減する」という理論、およびそれに基づく治療行為であるとされている。「その病気症状を起こしうる何か(成分、薬など)を使って、その病気や症状を治すことができる」という考え方に基づいて、具体的には、極度に希釈したその成分を投与することによって、病気の治癒をめざす。そのやり方はいくつかあるようだが、ひとつは(一般的には)「レメディ」という球形の錠剤を飲むことによって行われる。この「レメディ」は様々な物質を一定の方法によって水で希釈を繰り返したものを砂糖玉に染みこませたものである。
希釈度は最終的に10の60乗となり、現代科学の知識体系ではすでに元の物質は残っておらず、ホメオパシーの「レメディ」は砂糖玉でしかない。ただ、ホメオパシーの理論では“物質のパターンが水に記憶されるため、治療効果がある”とされている。
ホメオパシーの理論・効果については、正統派医師の多くの研究結果でプラセボ(偽薬)効果以上の効果はないとされ〔—第9章で、基本的な説明から医学的報告のその後の評価までがまとめられている〕〔—ホメオパシーの非科学性を論じた古典。〕、その代替医療性は否定されており、ホメオパシーの理論体系は現代科学の基本的な理論と齟齬をきたしている。
「レメディ」そのものは、正統な医学界の医師から見れば「ただの砂糖玉」にすぎず、そのレメディそのものは害は無い。
だが、ホメオパシーを用いるということは結果として「より適切な医療行為を受けないことを招く」「ホメオパシーをまともな医療の代わりに用いることで適切な医療を受ける機会が失われる」として、それが問題であると医師らから見なされている。あるいは本来の用途を逸脱してホメオパシーを用いたことが要因となる事故も発生しており社会問題ともなっている。
日本でも、与えるべきビタミンKシロップを与えず、いわゆる「レメディー」を用いて新生児を死に至らしめたとして助産師が訴訟を起こされた(「山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故」参照)ように、現代医学や科学的な思考の否定をその構造にもつホメオパシーの危険性を指摘する声は高まっている。日本学術会議が2010年8月24日、ホメオパシーの効果について全面否定し、医療従事者が治療法に用いないよう求める会長談話を発表した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Homeopathy 」があります。



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