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名の諳誦 : ウィキペディア日本語版
名の諳誦[めいのあんしょう]
名の諳誦』(めいのあんしょう、、ナヴナスールル)とは、『スノッリのエッダ』第2部『詩語法』の末尾にある、スールル(覚え歌、数え歌)の形式をした部分のことである。およそ100スタンザに渡る。写本への収録状況や脈絡の無さなどから後世の付加あるいは昔の資料の引用部などと考えられ、独立して扱われている。編者・翻訳者によっては、この部分を省略することもある。単に『諳誦』(, スールル)と呼ばれていることもある〔Simek, Rudolf (2007) translated by Angela Hall. ''Dictionary of Northern Mythology''. D.S. Brewer. ISBN 978-0859-91513-7. p. 332.〕。
この部分では、神、巨人、人物、動物、武器など多種多様な事物について、詩に用いることができる名詞(ヘイティケニングを含む)を韻を踏んで一覧している。
この韻文は、『スノッリのエッダ』のすべての写本に収録されているわけではない。主要な4冊の写本のうち王の写本 (GkS 2367 4to), ユトレヒト写本 (Utrecht 1374) の2冊、その他 AM 748 I b 4to, AM 757 a 4to, AM 748 II 4to の3冊のみに収録されている〔: p. xv.〕。また5冊のうち、AM 748 I b 4to と AM 757 a 4to の2冊では内容が大きく増補されているが、これら2冊は『詩語法』自体に関しては不完全な写本である。そのため、『名の諳誦』の部分はおそらくスノッリの原著には無く、後世に付加されたのであろうと考えられている〔Sverrir Tómasson, "The Middle Ages: Old Icelandic Prose" in ''A History of Icelandic Literature'', ed. Daisy Neijmann, Histories of Scandinavian Literature 5, Lincoln, Nebraska/London: University of Nebraska with The American-Scandinavian Foundation, 2006, ISBN 978-0-8032-3346-1, pp. 64-173, p. 157 .〕。
その内容から、『詩語法』の情報源の一つであったのかもしれないとする説もある〔Faulkes (1987): p. xii ; (1995 reissued): p. xvi.〕〔Jan de Vries, ''Altnordische Literaturgeschichte'' volume 2, Berlin: de Gruyter, 1967, pp. 225-26 . 〕。
== 脚注 ==


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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