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名取春仙 : ウィキペディア日本語版
名取春仙[なとり しゅんせん]
名取 春仙(なとり しゅんせん、1886年明治19年)2月7日 - 1960年昭和35年)3月30日)は、明治から昭和時代の版画家、挿絵画家、浮世絵師
== 来歴 ==
久保田米僊及び久保田金僊の門人。山梨県中巨摩郡櫛形町(現・南アルプス市)の綿問屋に生まれるが、父・市太郎の事業の失敗により、1歳の時、東京に移る。名は芳之助。春僊、春川とも号す。小学校時代には、同窓の川端龍子岡本一平とともに画才を認められていた。11歳の時、綾岡有真に師事、1900年(明治33年)、14歳で米僊、金僊に学んだ後、1905年(明治38年)、福井江亭に洋画も学び、東京美術学校においてさらに日本画も学んだが、平福百穂に私淑して中退する。
1902年(明治35年)、16歳の時、「秋色」、「霜夜」を第13回日本絵画協会展・第8回日本美術院連合共進会展に出品、「摘草」を第5回无声会展に出品した。同年、真美会に出品した水墨画「牧牛の図」が褒章を受けたのを始めとし、数多くの賞を受けた。1906年(明治39年)、20歳の時には日本美術院展に「海の竜神」を出品、入選している。翌年、東京朝日新聞連載の二葉亭四迷の小説『平凡』の挿絵を描いたことが縁となり、1909年(明治42年)、同社に入社、1913年大正2年)に退社するまでに夏目漱石の小説『虞美人草』や『三四郎』、『明暗』、『それから』などの挿絵を描いたことで、ジャーナリズムに認められ、以降、多くの挿絵を手掛けた。他には森田草平の『煤煙』や長塚節の『土』、島崎藤村の『』、田山花袋の『小さな鳩』、泉鏡花の『白鷺』、石川啄木一握の砂』(東雲堂書店1910年)などの挿絵をしている。
1915年(大正4年)には小雑誌『新似顔』に役者絵を掲載した。翌1916年(大正5年)に京橋の画博堂で開催された第2回「劇画展覧会」に出品していた肉筆画「鴈治郎の椀久」が渡辺庄三郎の眼にとまり、渡辺版画店から役者絵「初代中村鴈治郎の紙屋治兵衛」を版行、これが春仙の最初の新版画作品であった。春仙の役者絵は、写実に基づきながらも、役者の美しさ、芝居の面白さを無視したものではなく、それが多少甘いと評される訳であるが、本作品の持つすっきりとした爽快感が評価され、代表作となった。その後、1917年(大正6年)には「梅幸のお富」を版行している。春仙の作品は後に「創作版画 春仙似顔絵集」にまとめられ、1925年(大正14年)から1929年(昭和4年)まで刊行された。この似顔絵集を見たドイツ大使ヴィルヘルム・ゾルフ徳川頼貞高見廉吉らは春仙に木版による肖像画を依頼、これらを制作した。春仙はおよそ100種以上の版画を作成、山村耕花とともに新版画の中で、役者大首絵を描いた代表的存在であった。他に肉筆画なども手掛けている。
1930年(昭和5年)にはアメリカの雑誌『アメリカンマガゲンオブアート』に伊東深水川瀬巴水らとともに春仙の版画における功績を紹介されている。1950年代後半には富士山を「是即ち地球で第一の山」とたたえて、富士山を題材とした風景画を手掛けている。
1958年(昭和33年)2月、長女を肺炎で亡くし、1960年(昭和35年)3月30日午前7時、妻の繁子とともに青山の高徳寺境内名取家墓前で服毒自殺した。。法名は浄閑院芳雲春仙信士。遺書には、寺院へ迷惑をかけることの詫びと、将来、夫婦のどちらか一人だけが残されることは望まぬため、娘の傍で二人で逝くことにした旨が記されていた〔南アルプス市WEBサイト:名取春仙について 略年譜〕。
没後、昭和62年(1987年)春仙の画業を顕彰するため民間有志が惜春会を結成。その4年後地元に櫛形町立春仙美術館が開館し、町の合併に伴い南アルプス市立春仙美術館と改称し現在に至っている。
== 作品 ==

=== 木版画 ===

* 「初代中村鴈治郎の紙屋治兵衛」 木版画 千葉市美術館所蔵 
* 「十五世市村羽左衛門の入谷の直侍」 木版画 アーサー・M・サックラー・ギャラリー所蔵 1925年(大正14年)
* 「六世尾上梅幸 油屋おこん」 木版画 東京国立近代美術館所蔵 1929年(昭和4年)

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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