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名鉄美濃町線 : ウィキペディア日本語版
名鉄美濃町線[みのまちせん]


美濃町線(みのまちせん)は、岐阜県岐阜市徹明町駅から岐阜県関市関駅、および岐阜県美濃市美濃駅までを結んでいた名古屋鉄道(名鉄)の軌道線。美濃市の前身美濃町にちなみ線名がついた。2005年4月1日に全線が廃止された。
== 概要 ==
路線の大半が国道156号線・国道248号線に沿って敷設されている。徹明町駅 - 北一色駅間は完全な併用軌道だが、北一色駅 - 関駅間は道路と並行して走る専用軌道が多く、郊外電車の趣であった。建設当初は岐阜の繁華街である柳ヶ瀬と、美濃市を結んでいたが、後に岐阜側の起点は徹明町に変更された。
名古屋方面への接続利便性向上のため、1970年に競輪場前 - 各務原線田神駅間に新線(田神線)を設け、新岐阜駅(現・名鉄岐阜駅)への直通運転を開始(それまで名古屋方面へ向かうためには、徹明町での乗り換えを要した)、運転の主体はそちらへ移動し、徹明町方面は支線化した。架線電圧が美濃町線・田神線が600V、各務原線が1500Vと異なるため、モ600形などの複電圧車が運用され始める。
併走する国道に運転されている岐阜乗合自動車(岐阜バス)は美濃町線に対し速度・便数ともに優位に立っており、苦戦を余儀なくされる。しかし、モ880形モ800形といった新車が、廃線の数年前まで継続的に投入され、また交換設備の増設による増発なども実施された。
しかし、モータリゼーションの進展により乗降客の減少は歯止めがかからなかった。1999年には、末端区間で利用客が少なく、長良川鉄道越美南線が並行している新関 - 美濃間を廃止した(廃線跡は美濃 - 松森間の一部が道路となり、松森駅周辺は、ちんちん電車の遊歩道として整備され、それ以降は農道や県道道幅充填に利用されている)。代替措置として、新関から長良川鉄道関駅へ乗り入れる新線が建設され、一部列車が乗り入れるようになる。2001年にはライバルである岐阜乗合自動車との共通乗車制度が設けられた(ただし同社は名鉄グループである)。
利用客の減少の理由として、1970年代後半以降、沿線の岐阜市と関市とが、公立高校普通科への進学にあたって同一学区となっていないことも大きかった。公立普通科について、岐阜市の高校生が関市へ、また関市の高校生が岐阜市へ通学することができないのであれば、当然通学定期の収入はそれだけ落ちるからである(なお、専門学科や私立への進学は自由に選べた)。
その後も利用客は減少し、2003年1月24日に名古屋鉄道は、当線を含めた600V電化区間について運営撤退を周辺自治体と検討すると表明(岐阜市内線概要も参照)し、翌2004年に正式に撤退を表明した。これを受けて、地元の岐阜市などでは協議会を設置し、公設民営方式での存続の可能性について検討が行なわれたが、2004年7月27日に岐阜市長は利用客減少や財政難などを理由に存続断念を発表。これを受けて、他の600V区間と共に2005年4月1日に全線廃止が決定された。
廃止直前の2005年1月29日、新岐阜駅は名鉄岐阜駅と改称されたが、美濃町線の車両は直後に廃止を控えていたこともあり、方向幕の差替えは行われず、「新」の部分をマスキングしただけで使用された。車内放送や運賃表示器の駅名表記も変更されることなく「新岐阜」のままであった。
2005年3月31日にさよなら運転が行われた。しかし日野橋 - 琴塚間で線路妨害(往来危険)の置き石に遭い、一時不通に。また、ワンマン運行のため混雑する乗客の対応に時間がかかり、最終電車は4月1日になっていた(最終電車は4月1日午前0時40分過ぎ新関に到着)。
なお、地元・関市の企業を中心として、営業再開へ向けた動きも模索された(名鉄岐阜市内線#廃止後の動きを参照)が、進展を見せないまま実現されなかった。
道路上に残された軌道跡は、2006年から順次埋め立てが進んでいる。専用軌道部分の大半は各種設備を撤去しただけの状態で放置されているが、小屋名 - 新関間の国道248号線に並行していた区間については道路拡幅で跡形もなくなっている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「名鉄美濃町線」の詳細全文を読む



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